セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(B型肝炎)

タイトル 消P-9:

当院におけるB型慢性肝炎に対するインターフェロン治療効果の検討

演者 小林 知樹(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 柘植 雅貴(広島大病院・消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大病院・消化器・代謝内科), 柾木 慶一(広島大病院・消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大病院・消化器・代謝内科), 中原 隆志(広島大病院・消化器・代謝内科), 本田 洋士(広島大病院・消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大病院・消化器・代謝内科), 長沖 祐子(広島大病院・消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大病院・消化器・代謝内科), 高木 慎太郎(広島大病院・消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大病院・消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大病院・消化器・代謝内科), 兵庫 秀幸(広島大病院・消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 高橋 祥一(広島大病院・消化器・代謝内科), 越智 秀典(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【背景・目的】B型慢性肝炎に対するIFN治療は、核酸アナログ製剤に比べて投与期間に制限があり、十分な抗ウイルス効果が得られにくいとされてきたが、近年、IFNによるHBs抗原の低下・消失例の報告が散見され、投与終了後の長期的な予後の改善効果が注目されている。本検討では、当院におけるB型慢性肝炎に対するIFN治療の治療成績について検討した。【方法】対象は当院でIFN治療を施行したB型慢性肝炎98例のうち、治療後経過等の解析が可能であった79例。年齢の中央値は37歳(22-67)。男女比は33:32。HBe抗原陽性例は53例だった。HBe抗原の有無で群別し、各群でIFN治療直後、12ヶ月後、24ヶ月後、60ヶ月後の治療効果について比較検討した。【結果】HBe抗原陽性例ではそれぞれの時点で、治療直後のHBV DNA陰性化(HBV DNA<4Log copies/ml)率、ALTの正常化率はそれぞれ24.0%、36.5%であり、HBe抗原陰性例での69.2%、65.3%に比して有意に低率だった(P=0.0001、P=0.017)。そこで両群におけるHBV DNAの陰性化率を比較すると、6ヶ月後が18.8%vs31.8%、12カ月が21.5%vs33.3%、24カ月後が12.5%vs42.8%、60ヶ月後が21.9%vs40.0%といずれの時点でもHBe抗原陰性例で良好な治療成績が得られた。IL28B genotype別、治療期間別にHBV DNA titerを比較したが、有意な差が認めなかった(P=0.368、P=0.272)。【結論】本検討では少数例での検討であったため、IL28B genotypeや治療期間とHBV DNA量の変化には相関は認めなかったが、HBe抗原陰性例ではIFN治療効果が治療後も長期間維持できる可能性が示唆された。HBe抗原の有無に関わらず、PEG-IFN投与が可能となった現在、IFN治療効果が高いと予測される症例を抽出し、IFN治療を行うことで、HBs抗原の低下・消失例を絞り込むことが可能であると考えられた。
索引用語 B型慢性肝炎, インターフェロン