セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓(B型肝炎)
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タイトル |
消P-10:当科におけるB型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤治療の現況
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演者 |
宮坂 昭生(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
吉田 雄一(岩手医大・消化器・肝臓内科), 舘道 芳徳(岩手医大・消化器・肝臓内科), 宮本 康弘(岩手医大・消化器・肝臓内科), 遠藤 龍人(岩手医大・消化器・肝臓内科), 滝川 康裕(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤として本邦ではLamivudine(LAM)、Adefovir(ADV)、Entecavir(ETV)の3剤が使用されている。今回、B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤の治療成績および有用性について検証した。【方法】当科で核酸アナログ製剤治療を行った83例(平均年齢50歳、男女比59:24、慢性肝炎60例、肝硬変23例)を対象とし、有用性および問題点について検討した。【結果】1)LAM:初回LAM投与例は41例(男女比31:10、慢性肝炎29例でeAg陽性17例、eAg陰性12例、肝硬変12例でeAg陽性8例、eAg陰性4例)であった。投与開始時HBV DNAは7.9±1.0logコピー/ml、HBV DNAが感度以下になった症例は16例であった。投与中にeAg陰性となった例が5例であった。投与中にYMDD変異が出現した例は26例であり、そのうちHBV DNA再上昇した20例にADVを追加した。また、LAMからADVへ変更した例は2例、LAMからETVへ変更した例は4例であった。LAM中止例は2例であった。2)ADV:LAM治療中の20例(男女比15:6、慢性肝炎11例でeAg陽性8例、eAg陰性3例、肝硬変9例で全例eAg陽性)に追加投与され、投与開始時HBV DNAは7.4±0.8logコピー/ml、HBV DNAが感度以下になった症例は10例であった。HBV DNAが再上昇した例を2例認めた。投与中にeAg陰性となった例が5例であった。3)ETV:ETV保険適応後、初回LAM導入例はなく、初回ETV投与例は42例(男女比28:14、慢性肝炎31例でeAg陽性15例、eAg陰性16例、肝硬変11例でeAg陽性4例、eAg陰性7例)であった。投与開始時HBV DNAは7.0±1.7logコピー/ml、HBV DNAが感度以下になった症例は35例であった。HBV陰性化率は1年で85%、3年で100%であった。投与中にeAg陰性となった例が4例であった。ETV中止例は1例であった。4)HCCの発生:核酸アナログ製剤投与中に2例(2.4%)HCCが発生した。【結語】B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤の治療成績は良好であったが、HCCの発生も少数例認めた。 |
索引用語 |
HBV, 核酸アナログ製剤 |