セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎)1

タイトル 消P-20:

当院における急性肝炎症例の検討 -非肝炎ウイルス性を中心に-

演者 榮枝 弘司(近森病院・消化器内科)
共同演者 青野 礼(近森病院・消化器内科), 北岡 真由子(近森病院・消化器内科), 鈴木 美香(近森病院・消化器内科), 斉藤 純子(近森病院・消化器内科), 富田 秀春(近森病院・消化器内科), 吉本 香理(近森病院・消化器内科), 市川 博源(近森病院・消化器内科), 近森 正康(近森病院・消化器内科), 高松 正宏(近森病院・消化器内科), 岡田 光生(近森病院・消化器内科)
抄録 【目的】急性期病院である当院での急性肝炎症例について、その原因、臨床的特徴および合併症を検討する。【対象】2000年1月から2011年12月までに急性肝炎にて入院した症例で、アルコールおよび薬物性を除いた153例(男性69例、女性84例、平均年齢38歳:16~83歳)。AIHは急性肝炎様発症のみとした。【結果】原因は、HAV 5例(男3、女2、平均58歳)、HBV 12例(男4、女8、平均29歳)、HCV 13例(男9、女4、平均31歳)、HEV 1例(男)、EBV 10例(男6、女4、平均23歳)、CMV 13例(男4、女9、平均29歳)、HPV-B19 2例(男46歳、女38歳)、麻疹40例((男18、女22、平均24歳)、AIH 14例(男2、女12、平均59歳)、日本紅斑熱3例(男1、女2、平均73歳)、原因不明40例(男19、女21、平均40歳)であった。1)HAV5例は保存的に軽快した。2)HBV10例中8例は保存的に軽快し、重症型1例および発症直前にRA疑いにてsteroid投与され肝障害が遷延した1例に核酸アナログを投与し軽快。3)HCV13例中5例で発症前に覚醒剤注射歴を認めた。2例はウイルス消失し、肝障害持続5例はIFNにて治癒。5例は自主退院あるい通院自己中断。4)EBV/CMV 23例中、CMV1例は急性腹症で搬送され脾臓被膜下出血を認め、保存的に軽快。5)HPV-B19の2例は、lupus様症状、ANA陽性、補体低下を認め、1例は急性腎不全をきたしステロイドパルス療法にて軽快。6)成人麻疹62例のうち40例(64.5%)に肝障害を認め、AST/ALTの最高値は547/850IU/mlであったが、1~5週後に全例正常化し黄疸は認めず。2例に脳炎、2例に肺炎を認めた。ワクチン接種例では、未接種例に比し肝障害は軽度であった。7)日本紅斑熱3例中1例で、多臓器不全・DICを認めた。8)原因不明40例中3例は劇症肝炎(亜急性型)で死亡。HEV検索は数例のみ。【結語】非肝炎ウイルスやリケッチアでも重篤な合併症を来す可能性があり、丁寧な病歴聴取と臨床的特徴から早期診断することが必要である。
索引用語 急性肝炎, 合併症