セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎)2

タイトル 消P-21:

C型慢性肝炎に対するGeranylgeranylacetoneの治療効果について

演者 山口 東平(長崎大病院・消化器内科)
共同演者 市川 辰樹(長崎大病院・消化器内科), 柴田 英貴(長崎大病院・消化器内科), 本田 琢也(長崎大病院・消化器内科), 田浦 直太(長崎大病院・消化器内科), 磯本 一(長崎大病院・消化器内科), 竹島 史直(長崎大病院・消化器内科), 中尾 一彦(長崎大病院・消化器内科)
抄録 【目的】胃炎・胃潰瘍治療薬であるGeranylgeranylacetone(GGA)はイソプレノイド化合物に属し、いろいろな細胞に多彩な作用を及ぼすことが知られている。我々はGGAが肝癌細胞株においてPKRや2’5’-OASなどのinterferon(IFN)誘導性抗ウイルス蛋白を誘導すること(Ichikawa T et al.BBRC.2001;280:933-9)、OR6においてGGAによる抗HCV活性がIFN併用にて抗HCV活性が増強し、PI3K-Akt-mTOR経路の関与が示唆されること(竹下 他.肝臓,50(suppl 1).A248,2009 )など報告している。今回我々はGGAによる抗HCV作用について検討した。【方法】当院にてC型慢性肝炎19例(男:女=9:10、平均年齢 56歳)を対象としGGA150mg/日を4週間投与し投与前・直後及び投与終了後4週のHCV-RNA量について及び当院及びその関連病院にてPEG-IFNα2b+Ribavirin併用療法を行ったC型慢性肝炎症例genotype 1b型ウイルス量高値の症例141例(GGA(-):(+)=104:33)を対象としGGA併用及び非併用例に振り分けた。GGA併用例については300mg/日をIFN導入時に開始IFN終了24週後、効果判定まで継続するものとし検討した。【結果】HCV-RNA量は投与前と投与終了後4週間でP value=0.002の結果であった。genotype 1b群にてSVR率はGGA非併用例と併用例では(P value=0.02)ウイルス消失時期についてもRVR率で非併用例と併用例で6.8%:24% (P value =0.02)であり、IL28B-SNP major(TT)群では、RVRで11.1%:33.3%(P value=0.06)とGGA併用症例で早期消失しやすい傾向であった。また治療完遂率はgenotype1と2の全症例の検討にて非併用症例:併用例=79%:94%(P value=0.02)と有意差を認め、中止例の検討にてGGA併用でうつ・倦怠感の副作用が少なかった(P value=0.01)。【結論】GGAは単独でも抗HCV作用を有し、PEG-IFN+Ribavirin療法に併用することで早期ウイルス消失及びSVRを得られ、治療完遂率上昇や副作用減少にも貢献する可能性が示唆された。
索引用語 GGA, HCV