セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎)2

タイトル 消P-22:

治療開始2週間のウイルス反応性からみた1型高ウイルスC型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα2b・リバビリン併用療法のNull response予測

演者 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 河島 明(公立那賀病院・内科), 新垣 直樹(和歌山県立医大・2内科), 森 良幸(和歌山県立医大・2内科), 川口 雅功(済生会和歌山病院・消化器内科), 森畠 康策(和歌山県立医大・2内科), 宇野 亜紀子(公立那賀病院・内科), 出口 久暢(和歌山県立医大・2内科), 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 井上 泉(和歌山県立医大・2内科), 前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科), 井口 幹崇(和歌山県立医大・2内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【目的】インターフェロン治療開始後12週でウイルス量が2log以上下がらない,いわゆるNull responderは,治療によるBenefitが少なく,より早期の予測が必要である.本研究の目的は1型高ウイルスC型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα2b(PEG-IFNα2b)・リバビリン(RIBA)併用療法における治療開始2週間のウイルス減少量より,Null responderを正確に予測できるか明らかにすることである.【方法】2008年3月より本研究に同意された1型高ウイルスC型慢性肝炎62例にPEG-IFNα2b・RIBA併用療法を行い,副作用中止した4例を除く58例を解析した.PEG-IFNα2b1.5μg/kg/週、RIBA(600-1000mg)推奨用量を48週間投与した.EVRが得られず36週時までにウイルスが陰性化した場合は72週投与とした.治療開始日,翌日,1週時,2週時にHCV-RNA量(タックマン法)とコア抗原量を測定した.【結果】Null response群7例と非Null response群51例の背景因子の比較では,年齢,性別,BMI,肝炎の活動性,線維化の程度,ISDR変異,HOMA-IR,血小板数等には有意差はなかったが,AFP値とコア70変異に有意差がみられた.治療後のウイルスの反応性は翌日,1週,2週時のいずれの時点においても強い有意差がみられ,ROC曲線下面積(AUC値)はHCV-RNA減少量,コア抗原減少量とも2週時が最も高く,それぞれ0.999,0.997であった.Youden Index法を用いて,HCV-RNA減少量,コア抗原減少量のカットオフ値をそれぞれ0.7log、0.5logに設定した.いずれの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正確度も,それぞれ100%,98%,88%,100%,98%であった.【結論】治療開始2週時のウイルス減少量より,Null responderを正確に予測可能である.
索引用語 C型慢性肝炎, Null response