セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(診断(画像)) |
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タイトル | 消P-28:肝臓に対するAcoustic Structure Quantification(ASQ)法の有効性の検討 |
演者 | 八島 陽子(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
共同演者 | 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 梶山 祐介(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 杉本 貴史(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 菅田 美保(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
抄録 | 【目的】Acoustic Structure Quantification(ASQ)法は超音波画像の粗さを定量化する方法である。均一な物体では値は100Cm2となり、構造の粗さが増すと数値が増加する。我々は60歳以上では正常肝群と肝硬変群の間で有意に肝硬変群の肝ASQ値が高いことを報告した(Yashima Y, et al; APASL 2012)。今回、正常肝の測定結果に影響する因子を解析した。 【方法】期間は2011年9月から12月。対象は健常ボランティアおよびウイルス陰性で肝疾患での治療を受けていない患者。超音波診断装置はAplio XGTM(東芝メディカルシステムズ社)を用いた。Bモードで検査中に右肋間から、大きな脈管を避けた肝実質の写真をASQモードで撮影し保存した。後日、診断装置に内蔵されたソフトのヒストグラム機能を用いて、肝表から3~7cmの間にRegion of interestを設定し測定した。粗さの指標には既報(Toyoda H, et al.AJR;2009)で有用とされるmodeを用い、背景因子の関係を解析した。背景因子は性別・年齢・Body mass Index(BMI)。本研究にあたり当院倫理委員会の承認を得た。 【成績】対象は計85例(男性34例、平均年齢47.9歳、平均BMI21.0.kg/m2)。全例でASQ測定は可能であり、測定結果は115.0±14.1(平均±SD)であった。性別の解析では男性108.1、女性119.4と有意に女性で高値であった(p<0.001)。年齢では、60歳で区切ると、60歳未満(63例)で117.3、60歳以上(22例)で108.2と有意に60歳未満で高値であった(p<0.001)。BMIでは22以上(26例)で107.6、22未満(59例)で118.2と22未満で有意に高値であった(p<0.001)。 【考察】とくにBMI22以上ではASQが低かった。ASQ低値は脂肪の沈着をみている可能性があり、NASHの前駆症状を見ている可能性もある。 【結語】ASQ法による肝実質の測定は簡便に施行でき、男性、60歳以上、BMI>22で有意に高値であった。 |
索引用語 | 肝臓, ASQ |