セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓(診断(画像))
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タイトル |
消P-29:肝臓領域の超音波がん検診へのカテゴリー判定導入の有効性と問題点
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演者 |
桑木 健志(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学DELIMITER岡山大病院・超音波診断センター) |
共同演者 |
竹内 康人(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 萩原 宏明(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 大西 秀樹(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学DELIMITER岡山大大学院・分子肝臓病学), 中村 進一郎(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 白羽 英則(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 能祖 一裕(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学DELIMITER岡山大大学院・分子肝臓病学), 山本 和秀(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学DELIMITER岡山大病院・超音波診断センター) |
抄録 |
日本消化器がん検診学会超音波部会委員会により、腹部超音波がん検診の実施基準が昨年7月に提唱され、がんの判定基準として臓器毎に0から5までのカテゴリー分類を行い所見に記載する事になった。【目的】肝臓領域について、超音波がん検診へのカテゴリー判定を行う有効性を定量し、現状での問題点を明らかにする。【方法】当院超音波センターにて昨年8月に行われた腹部超音波検査323件のうち、肝がんの治療歴のない197件について肝臓領域のカテゴリー判定を行った。超音波検査後に行われた追加検査により臨床的な肝がんの有無を判定し、カテゴリー毎の陽性率を調べた。また昨年8月以降の肝がん症例の検査事例についてカテゴリーとの対応を調べた。【成績】カテゴリー1/2/3/4/5の件数はそれぞれ38件/35件/107件/16件/1件であった。超音波検査後の精査によりがんと診断された件数はそれぞれ0件(0%)、0件(0%)、3件(2.8%)、3件(18.8%)、1件(100%)であった。肝細胞がん(HCC)が5件で、診断されたがんの大半を占めていた。当院では従来からHCCの高リスク群であるウイルス性肝炎・肝硬変患者を囲い込みフォローしていた為、慢性肝障害を示唆する所見に対応するカテゴリー3の割合が特に高かった。カテゴリー3の症例にGd-EOB-DTPA-MRIによりHCCと診断された症例が散見された。HCC症例の中には、当初カテゴリー2に相当する肝血管腫と診断後、他画像で高分化型HCCと診断されたものも存在した。また門脈腫瘍栓を合併したびまん性HCCについて、腫瘍栓に対応するカテゴリーが存在せず、カテゴリー3と分類される等、現在の基準では不十分と思われる側面も明らかになった。【結論】肝臓領域においてがんのカテゴリー判定は有用と考えられたが、HCCの早期診断という側面では不十分な点があり、特にHCCの高リスク患者では従来のサーベイランスを併用すべきであると考えられた。 |
索引用語 |
超音波検査, HCC |