セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(NASH/NAFLD、アルコール性肝障害)1 |
---|---|
タイトル | 消P-34:Angiotensin2 type 1a(AT1a)受容体ノックアウトマウスを用いた肝脂質蓄積メカニズムの解析 |
演者 | 平田 修三(香川大・消化器・神経内科) |
共同演者 | 柴山 弓季(香川大附属病院・糖尿病センター), 藤森 崇行(香川大・消化器・神経内科), 野村 圭(香川大・消化器・神経内科), 三村 志麻(香川大・消化器・神経内科), 桂 明子(香川大・消化器・神経内科), 豊田 由花(香川大・消化器・神経内科), 坂本 鉄平(香川大・消化器・神経内科), 谷 丈二(香川大・消化器・神経内科), 中野 大介(香川大・薬理学), 人見 浩史(香川大・薬理学), 出口 章広(香川大・消化器・神経内科), 西山 成(香川大・薬理学), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科) |
抄録 | 【目的】近年、アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)はNASHやNAFLDに有効であると報告されている。しかしその一方で、最近の研究では、アンジオテンシン2投与によって肝脂質蓄積が減少することが報告されており、肝脂質蓄積におけるレニン・アンジオテンシン系(RAS)の関与についての詳細なメカニズムは不明である。そこで本研究では、AT1受容体のマウスでのサブタイプであるAngiotensin2 type 1a(AT1a)受容体ノックアウトマウスを用いて、肝脂質蓄積メカニズムを明らかにすることを目的にした。【方法】10週齢雄性のwild typeのマウス(コントロールマウス)および同系のAT1a受容体ノックアウトマウスに対し、高脂肪食を8週間投与した。投与終了後、肝脂質蓄積について組織学的に検討を行うとともに肝組織のTG,T-Cholを評価した。また、肝組織のPPARγと脂肪滴の膜タンパク質(fsp27)、脂質分解に関わるリパーゼ(HSL、ATGL)のmRNA発現とFAS活性を測定した。【成績】コントロールマウスと比較し、AT1a受容体ノックアウトマウスにおいては、Oil red O染色、肝組織のT-Cholの有意な増加が認められ、顕著な肝脂質蓄積が確認された。また、AT1a受容体ノックアウトマウスにおいて、肝組織中PPARγのmRNA発現が増加する一方で、その他の分子(fsp27、HSL、ATGL)では有意差が検出されなかった。一方、AT1a受容体ノックアウトマウスにおいて肝組織中FAS活性の有意な増加を認めた。【結論】AT1a受容体欠損はFAS活性化を誘導し、肝脂質の蓄積に寄与する事が明らかとなった。 |
索引用語 | NASH, レニン・アンジオテンシン系 |