セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(NASH/NAFLD、アルコール性肝障害)1 |
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タイトル | 消P-35:Streptozotocin投与NASH発癌モデルマウスにおける病態進行と水素水投与の有効性の検討 |
演者 | 河合 大介(岡山大・消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 高木 章乃夫(岡山大・消化器・肝臓内科), 山本 和秀(岡山大・消化器・肝臓内科), 中司 敦子(岡山大大学院・腎・免疫・内分泌代謝内科学), 和田 淳(岡山大大学院・腎・免疫・内分泌代謝内科学), 玉木 直文(岡山大病院・予防歯科), 安中 哲也(岡山大・消化器・肝臓内科), 小池 和子(岡山大・消化器・肝臓内科), 津崎 龍一郎(岡山大・消化器・肝臓内科), 松本 和幸(岡山大・消化器・肝臓内科), 三宅 康広(岡山大・消化器・肝臓内科), 白羽 英則(岡山大・消化器・肝臓内科), 森田 学(岡山大病院・予防歯科), 槇野 博史(岡山大大学院・腎・免疫・内分泌代謝内科学) |
抄録 | 【目的】NASH(Non-alcoholic steatohepatitis)は脂肪肝の存在とともに炎症細胞の浸潤と線維化の進行を認めるものと定義され、肝硬変さらには肝細胞癌へと進行していくことが臨床において問題となる。最近、マウスで膵ランゲルハンス島の選択的破壊薬物であるStreptozotocin(STZ)投与に高脂肪食負荷を組み合わせることによりNASH類似の病態が作成可能であることが報告されている。今回我々は、STZ投与マウスを用いてNASH-肝硬変-肝細胞癌の経過に対する抗酸化物質としての水素水の効果を、NASHに対して臨床で用いられているピオグリタゾンとも比較し検討した。【方法】NASH-肝硬変-肝細胞癌モデルとしてSTZ投与マウス(STAMマウス)を使用した。高脂肪食を摂取した8週齢のSTAMマウスを3群に分け、以下のように餌を与えた:(1) 高脂肪食+通常水(CW群) (2)高脂肪食 + 水素水(HW群) (3)高脂肪食+ピオグリタゾン(PGZ群) 。8週間後に肝臓を摘出し肝表面の腫瘍数および腫瘍径を比較した。また、増殖細胞の核内に認められるPCNA(proliferating cell nuclear antigen)による免疫染色を用いて背景肝における細胞増殖能を比較した。【結果】高脂肪食摂取後16週で各群に腫瘍形成を認めた。腫瘍は組織学的にN/C比の増加、核の極性の乱れ、細胞配列の乱れを認め肝細胞癌といえる所見であった。肝表面の腫瘍数ではCW群と比較しHW群およびPGZ群で抑制されていた。腫瘍径はCW群およびPGZ群と比較しHW群で有意に抑制されていた(p<0.05)。免疫染色ではPCNA陽性率がHW群でのみ有意に低値であった(p<0.05)。【結論】水素水は酸化ストレスを抑制しNASHにおける肝細胞増殖を抑制し発癌を抑制する可能性が示唆された。 |
索引用語 | NASH, 水素水 |