セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(NASH/NAFLD、アルコール性肝障害)2

タイトル 消P-43:

アルコール性肝硬変におけるテルミサルタンの効果についての検討

演者 松田 健二(筑波学園病院・消化器内科)
共同演者 西 雅明(筑波学園病院・消化器内科), 川島 玲(筑波学園病院・消化器内科), 川西 宣弘(筑波学園病院・消化器内科), 松木 康彦(筑波学園病院・消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大・消化器内科)
抄録 【目的】アルコール性肝硬変は禁酒で肝機能改善する例も多いが,初診時で非代償性肝硬変と診断され,糖尿病を合併しインスリン抵抗性のある症例も多い. 高血糖でTGFβ産生し線維化を促進する効果は既知であり,日常診療では肝機能の他インスリン抵抗性の改善に注意を要する.PPARγ作用を併せ持つテルミサルタンは肝線維化抑制効果の報告はあるが,肝機能改善についての報告はない.今回未治療のアルコール性肝硬変に対しインスリン抵抗性改善も含め,テルミサルタンを投与した際の肝機能改善効果について検討を行った.【対象,方法】2011年4月以降に当院受診した未治療のアルコール性肝硬変患者で禁酒に成功した30例.テルミサルタン投与群と未投与群をChild-Pugh,HOMA-R,画像で比較検討した.【成績】テルミサルタン投与群18例(男性17例,女性1例平均53±12.1歳),未投与群12例(男性10例,女性2例平均50.3±4.5歳).2型糖尿病合併は投与群2例,未投与群1例.F2以上食道静脈瘤合併は投与群8例,未投与群4例であった.平均Child-Pughスコアは投与群10.3点,未投与群10.4点であり,平均HOMA-Rは投与群2.1±0.8,未投与群2.2±0.6であった.腹部造影CTでは30例でいずれも肝硬変の所見であった. 8カ月経過時点で線維化マーカーは投与群全例で改善し,未投与群では半数のみ改善した.Child-Pughスコアは投与群7.3点,未投与群8.8点(P=0.025).HOMA-Rは投与群1.4±0.3,未投与群1.7±0.4(P=0.02)とHOMA-Rについて有意差を認めた.食道静脈瘤の増悪なく,改善は投与群で6例(75%),未投与群で1例(25%)であった.また投与群1例に肝細胞癌の合併を認めた.副作用では血圧の低下を3例に認めた.【結論】8カ月の経過では統計上有意差を認めなかったが,静脈瘤ならびにHOMA-Rにて未治療のアルコール性肝硬変に対するテルミサルタンの有用性が示唆され,現在治療継続中である.テルミサルタンとPPARγ,アルコール性肝硬変の治療効果とメカニズムについて文献的考察も加え報告する.
索引用語 アルコール性肝硬変, テルミサルタン