セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(自己免疫性肝疾患、薬物性肝障害) |
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タイトル | 消P-49:全身性リンパ節腫大を伴った原発性胆汁性肝硬変の一例 |
演者 | 平松 慎介(大阪市立総合医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 根引 浩子(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 丸山 紘嗣(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 上野 綾子(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 末包 剛久(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 山崎 智朗(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 佐々木 英二(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 佐野 弘治(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 佐藤 博之(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 中井 隆志(大阪市立総合医療センター・肝臓内科), 川崎 靖子(大阪市立総合医療センター・肝臓内科), 木岡 清英(大阪市立総合医療センター・肝臓内科) |
抄録 | 【緒言】原発性胆汁性肝硬変(PBC)に肝門部リンパ節腫大を認めることがあるが,全身性リンパ節腫大を伴った報告はまれである.今回我々は,全身性リンパ節腫大で発症し,精査の結果PBCと診断した症例を経験したので報告する.【症例】40歳代女性.右頸部の腫脹と発熱のため近医を受診し,抗生剤を処方されたが改善せず,当院受診.血液検査で,CRP上昇と胆道系酵素上昇を認め入院となった.腹部エコー・CTで,胆道系の異常は認められなかったが,頸部・腋窩・肝門部・膵頭部周辺に多数のリンパ節腫大が認められた.CT上肺結核の所見はなく,ツベルクリン反応,クォンティフェロンは陰性であり,主な腫瘍マーカーは正常範囲内であった.PET検査にて肝門部のリンパ節に異常集積(SUVmax 8.8)を認めた.体表リンパ節は生検できるほどの大きさでなく,肝門部リンパ節のEUS-FNAを施行した.病理組織の結果,異型性の乏しい導管由来の上皮細胞集塊と炎症の所見を認め,乾酪壊死や悪性所見は認めなかったことから炎症に伴うリンパ節腫大と診断した.血液検査にて抗ミトコンドリア抗体が640倍と高値であったためPBCを疑い肝生検を行った結果,グリソン鞘を中心としたリンパ球浸潤,線維性拡大,piecemeal necrosis,類上皮肉芽腫,細胆管上皮の破壊・再生性変化を認めた.PBCとそれに伴うリンパ節腫大と診断し,ウルソデオキシコール酸600mg/dayの内服を開始したところ,リンパ節は縮小し,PETでの異常集積も消失した.【結語】PETで集積を示すような全身性リンパ節腫大は,悪性リンパ腫や癌の転移などの悪性疾患をまず疑うが,本例のようにPBCに伴うものもあることを経験した.また,悪性疾患によるリンパ節腫大ではないことをEUS-FNAで示すことができた貴重な症例であると考える. |
索引用語 | 原発性胆汁性肝硬変, リンパ節腫大 |