セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍)2

タイトル 消P-59:

C型肝細胞癌における発癌年齢と肝線維化の推移の検討

演者 魚嶋 晴紀(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター)
共同演者 所 晋之助(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 金原 猛(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 増田 作栄(茅ヶ崎徳洲会総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝細胞癌は背景に慢性肝疾患の存在があることが知られている。特にC型肝炎ウイルス(HCV)はIFN加療により減少傾向にあるが、2012年現在においてもHCVを原因とする肝癌は65%前後を占めている。HCV関連発癌は肝炎ウイルスの持続感染による慢性炎症もしくは慢性炎症の結果としての肝硬変の存在が重要な働きをしていると考えられているが、近年は肝疾患患者全体の高齢化に伴い発癌の様相にも変化が生じていると考え、この度HCV感染患者における発癌年齢と肝線維化の検討を行う。【方法】2001~2011年当院、ならびに当院関連病院で経験したHCV感染患者の初発発癌患者457例を、1期(2001~2005年)、2期(2006~2011年)に分け、年齢ならびに性別の経時変化を検討した。また、年齢における(70歳以上、70歳未満の2群に分け)、背景肝線維化(画像、採血)を後ろ向き検討とした。【結果】年代における男女比の推移:第1期203例 男性151例、女性52例(男:女/2.9:1)、平均年齢 68.9歳 第2期251例 男性177例、女性79例(男:女/2.24:1)平均年齢74.4歳。年齢における背景肝繊維化の推移 PLT: 70歳未満 10.21±2.38×104/ml、70歳以上 12.55±2.11×104/ml、ALB:70歳以下 3.76mg±1,62mg/dl、70歳以上 3.81±1,17mg/dl、T-bil:70歳以下 2.16mg±0,72mg/dl、70歳以上 1.56mg±0.42mg/dlChild-phgh:70歳以下A 44% B 39%C 17% 、70歳以上A 55% B 27%C 19%。【結論】第1期にくらべ第2期においてはHCV感染患者の初発肝細胞癌発症年齢は高齢かしており、男女比率は有意的変化を認めなかった。年齢における背景肝機能としては70歳以上の患者がPLT値、T-bil値において統計的にも有意差を持つ結果となった。CHILDにおいても比較的初期肝硬変患者が増加していると考える。考察)IFN加療により年次辺りのHCC発癌率は低下傾向となったが、IFN治療により肝硬変に至らず、HCV感染患者が長期生存が望めるため、慢性肝炎、初期肝硬変の高齢者における肝細胞癌率の増加傾向が示唆される結果となった。
索引用語 C型肝炎, 肝細胞癌