セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍)3

タイトル 消P-66:

当院における細胆管細胞癌の検討

演者 加藤 総介(札幌社会保険総合病院・内科・消化器科)
共同演者 高木 智史(札幌社会保険総合病院・内科・消化器科), 小野 雄司(札幌社会保険総合病院・内科・消化器科), 今井 亜希(札幌社会保険総合病院・内科・消化器科), 吉田 純一(札幌社会保険総合病院・内科・消化器科), 冨岡 伸元(札幌社会保険総合病院・外科), 中川 隆公(札幌社会保険総合病院・外科), 松岡 伸一(札幌社会保険総合病院・外科), 佐々木 文章(札幌社会保険総合病院・外科), 秦 温信(札幌社会保険総合病院・外科), 高橋 秀史(札幌社会保険総合病院・病理診断科)
抄録 細胆管細胞癌(CoCC)は原発性肝癌の1%以下とされる稀な肝腫瘍である。当院で経験したCoCCについて検討した。
【症例1】70歳代男性、C型慢性肝炎。S6にCTで早期に濃染し後期相/平衡相でも造影効果を示す境界不明瞭な2cmの腫瘍を認め、肝部分切除を施行、病理診断はCoCCであった。1年6ヶ月後に再発し再手術、以後7年間無再発生存中である。【症例2】60歳代男性、脂肪肝でウイルス肝炎なし。CTでS4/5に5cmの境界不明瞭で辺縁部が早期濃染し後期相で全体が造影される腫瘍あり、肝部分切除を施行、病理診断はCoCCであった。その後腹膜播種で再発し術後2年2ヶ月で癌死した。【症例3】60歳代女性、C型肝硬変。CTで外側区域に境界不明瞭な腫瘍あり、辺縁の一部は早期に濃染し後期相まで造影効果が持続したが、中心部は早期濃染なく平衡相で造影され、一部末梢肝内胆管拡張あり。外側区域切除を施行、病理診断は肝内胆管癌(中分化型腺癌とCoCC)で、無再発で術後10ヶ月に肝不全死した。【症例4】70歳代男性、C型慢性肝炎で6年前に肝細胞癌手術歴あり。CTでS4に早期に淡く造影され後期相でwash outされる4cmの腫瘍を認め、拡大内側区域切除を施行。病理診断はCoCCで、術後6ヵ月で多発肝内再発を認め、化学療法施行中である。
【考察】当院で経験したCoCCは年齢61~76歳(平均70歳)、男女比3:1、背景肝はC型肝炎3例,脂肪肝1例であった。画像上は肝細胞癌様の早期濃染像や、肝内胆管癌様の後期~平衡相での造影効果を呈する症例が多く、病理組織学的には粘液産生が乏しく、立方状~低円柱状細胞の分岐管状増殖,肝細胞索との置換性増殖などの特徴を示し、免疫染色でEMA,CK7,CK8,CK19がいずれも陽性であった。CoCCはウイルス性肝炎を背景とする例が多いが、肝の幹細胞との関連も指摘されている。近年CoCCに関する知見が集積されつつあり、文献的考察も加え報告する。
索引用語 細胆管細胞癌, 幹細胞