セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍)3

タイトル 消P-68:

マイクロバルーン閉塞下選択的肝動脈塞栓術(B‐TACE)治療時におけるCTHAの有用性

演者 三浦 隆生(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
共同演者 小川 眞広(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 塩澤 克彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 阿部 真久(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 松本 直樹(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中河原 浩史(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大城 周(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 山本 敏樹(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 武藤 晴臣(駿河台日本大病院・放射線科)
抄録 【目的】近年血管診断装置の進歩もめざましく、コーンビームCTなどの出現により治療支援も可能となってきている。しかしながら装置が大がかりで高額であるため頻回に装置を更新するわけにもいかないのが現状である。またカテーテルの進歩は細線化やバルーン付きマイクロカテーテルの出現により治療の選択肢は広がる反面、造影効果が担保できない場合も存在するようになった。そこで今回我々は肝動脈塞栓療法に際しCTHAを併用して行いその有用性を報告する。
【方法】対象は当院でCTHA併用で肝動脈塞栓療法が施行された20症例とする。使用装置:GEヘルスケア社製NNOVA 4100、ADVANTAGE workstation,東芝社製、64列MDCTである。血管撮影開始後まずカテーテルを総肝動脈または固有肝動脈に挿入しその後別室に移動しCTHAの撮影を行う。帰室後ワークステーションを用いて肝動脈の血管構築を作成し、これをmapping画像として用い肝動脈塞栓療法を施行した。
【成績】ワークステーションは至適角度の同定も可能であるため、カテーテル挿入に際し困難な症例では、血管の分岐角度が分かり易い有効な斜位像を呈示・指示することが可能であり治療におけるnavigationとして有用であった。MDCTの画像再構築は、非常に細かな副血行路も描出可能であり、複数回治療症例などで複雑な血管構築を呈する症例において支配動脈の同定に極めて有用であった。また、血管造影の画像と比較しCT画像は客観性が高く検者の経験差を埋める意味でも有用な手法であった。これにより透視室での血管造影で造影回数、透視時間も短縮が可能であった。欠点としてCT室への移動に伴う事が考えられたがそれ以上の効果が確認できた。
【結論】肝動脈塞栓療法を行う際、CTHAを併用することでより確実な治療効果が期待できる他、被曝線量の低下、使用造影剤の減量が可能になり有用な手法であることが確認された。
索引用語 CTHA, B-TACE