セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍)3

タイトル 消P-70:

肝癌に対するミリプラチンを用いた肝動脈化学塞栓術の短期成績-シスプラチン使用例との比較検討-

演者 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科)
共同演者 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 益田 和彦(庄原赤十字病院・内科), 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 舛田 裕道(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 山口 敏紀(庄原赤十字病院・内科), 沼田 義弘(庄原赤十字病院・内科), 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科)
抄録 【はじめに】ミリプラチンは高い腫瘍滞留性と徐放性が示されており,臨床的有効性や副作用の軽減が期待されている.【目的】肝癌(HCC)に対するミリプラチンを用いた肝動脈化学塞栓術(TACE)の短期成績について,シスプラチン使用例と比較検討を行った.【対象と方法】対象は2010年4月から2011年6月までミリプラチンを用いたHCC45例65回(Mi群) と 2008年4月から2010年3月までにシスプラチンでTACEを施行したHCC52例89回(CDDP群).Mi群は平均年齢 74歳 (57-92),男女比 34:11,B:C:NBNC=7:25:13例,肝障害度A:B:C=56:8:1,平均腫瘍径33.7mm (10-100),Stage I:II:III:IV=11:28:17:9例.CDDP群は平均年齢73歳(45-88),男女比36:16,B:C:NBNC=10:32:10例,肝障害度A:B=62:27,平均腫瘍径36.6mm(10-120),Stage I:II:III:IV=10:26:41:12例.2群間に有意差を認めなかった.抗癌剤とリピオドール(LPD)の混合比はMi/LPD20mg/ml ,CDDP/LPD10mg/ml.治療効果判定はTACE後7日前後のCTで行い,肝癌治療効果判定基準(2009年改訂版)に準じた.また有害事象の頻度について検討した.【結果】Miの平均投与量は63mg (20-140),LPD平均投与量は3.1ml (1-7)で,CDDPの平均投与量は33.7 mg (10-55), LPD平均投与量は3.4 ml (1-5.5)であり,LPD投与量に有意差を認めなかった.治療効果度はMi群; TE4:7例(11%),TE3:33例(51%),TE2:25例(38%)で,CDDP群; TE4:4例(5%),TE3:62例(69%),TE2:23例(26%)であり,有意差を認めなかった.有害事象は,嘔吐,発熱,腹痛などの副作用や肝障害,白血球減少などの頻度に有意差を認めなかった.しかし,血小板減少はMi群22%(14/65),CDDP群40%(36/89),腎障害はMi群11% (7/65),CDDP群25%(22/89)で,CDDP群が有意に高頻度であった.【結語】HCCに対するミリプラチンを用いたTACEはシスプラチン使用例に比し短期治療効果は同等で,有害事象は低頻度であり,有効な治療法と考えられる.
索引用語 肝癌, ミリプラチン