セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍)4

タイトル 消P-73:

当院におけるSorafenibの臨床使用経験

演者 宮元 亮子(日本医大・肝臓内科)
共同演者 金子 恵子(日本医大・肝臓内科), 清水 秀治(日本医大・肝臓内科), 川本 智章(日本医大・肝臓内科), 水野 杏一(日本医大・肝臓内科), 安井 大祐(日本医大付属病院・放射線科), 秋葉 絢子(日本医大付属病院・放射線科), 中澤 賢(日本医大付属病院・放射線科), 村田 智(日本医大付属病院・放射線科), 清水 哲也(日本医大付属病院・1外科), 川野 陽一(日本医大付属病院・1外科), 谷合 信彦(日本医大付属病院・1外科), 真々田 裕宏(日本医大付属病院・1外科)
抄録 『目的』当院における進行肝細胞癌に対するSorafenib治療の現状について検討した。『対象・方法』対象は2010年4月から2012年3月までの間にSorafenib治療を導入した肝細胞癌21名である。平均年齢は68.9歳、男性15例、女性7例であった。背景肝は全例が肝硬変であり、その成因はC型肝炎14例、B型肝炎4例、non B non C型肝炎3例であった。背景肝の予備能はChild-pugh Aが21例であった。腫瘍の進行度はStage2 5例、Stage 3 5例、Stage 4A 6例、Stage4B 5例であった。脈管侵襲は4例で認め、Vp因子ありが3例、Vv因子ありが1例であった。肝外転移を5例で認め、その内訳は肺転移4例、骨転移1例であった。また、リンパ節転移1例であった。Sorafenibの投与開始量は800mgが6例、400mgが4例、200mgが11例であった。画像評価はModified RECIST基準に、副作用はCTCAE ver4.0に準拠した。『結果』平均在院日数は26.8日で、2012年3月現在生存中18例、死亡3例である。Modified RECIST基準による治療効果判定では、PR3例、SD3例、PD9例、評価不能3例、経過観察中3例であった。副作用についてはCTCAE grade 3以上の例は肝機能障害6例、grade 2までの副作用として手足症候群3例、下痢4例、高血圧4例、肝機能障害3例、発熱2例、血中アミラーゼ増加1例、発声障害1例であった。当院ではSorafenib を少量から導入する例が多いこと、また全例で導入前より保湿剤を使用していることにより、手足症候群の重症化例が皆無であった。また、Sorafenibの投与開始量が200mgから400mgでも効果を認める症例が存在し、3例で治療開始1週間以内に著明な腫瘍濃染の消失を認めた。『考察・結語』Sorafenibの投与開始量を800mgとすると減量・中止に至る場合が多く、200mg開始例でも効果を認める症例が存在することより、適正な投与開始量の設定が今後の課題と考えられた。
索引用語 Sorafenib, 肝細胞癌