セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(腫瘍)4 |
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タイトル | 消P-76:当院における進行肝細胞癌に対する治療成績について |
演者 | 塩澤 一恵(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
共同演者 | 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 高亀 道生(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 向津 隆規(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金山 政洋(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 岡野 直樹(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 菊池 由宣(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 石井 耕司(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】これまで進行肝細胞癌(ad-HCC)に対してリザーバーを用いた持続肝動注化学療法(RV-HAI)が広く行なわれているが、その有効性については十分なエビデンスが得られていない。一方、実臨床において肝動脈化学塞栓術(TACE)や肝動注化学療法(TAI)のみで予後良好な症例も存在する。さらにソラフェニブ(So)の出現により、個々の症例に適した治療を選択するためにも各治療法による奏効率・生存期間などを比較検討することは重要と考えられる。今回、われわれはTACE/TAI(TA)を繰り返した症例とRV-HAIを一度でも施行した症例、さらにSo症例の治療成績の比較を行ない各治療の有効性について検討した。【対象と方法】TAおよびRV-HAI群は2003年5月~2010年12月まで、So群は2009年6月から2012年1月までに加療されたHCC症例のうち、肝癌診療ガイドラインに基づき、HCC4個以上またはVp2以上の脈管侵襲(PVTT)を認めたad-HCC173症例(TA群56例、RV-HAI群84例、So群33例;So群については1か月以上400-800mg/日を内服可能であった症例)を対象とした。各群における生存率は画像でad-HCCと診断した時点より算出した。またTA群、RV-HAI群については多重ロジスティック回帰にて背景因子・腫瘍因子9項目より予後解析を行なった。【結果】TA/RV-HAI/So群の年齢は72.3/67.6/69.2歳でTA群はRV-HAI群と比較し高齢であった。173全症例の1年生存率は65.8%、2年生存率は30.7%であった。生存期間の中央値はTA/RV-HAI/So群:17.5/14.4/14.9ヶ月と3群の生存率に有意差は認めなかった。TA/RV-HAI群の独立予後因子はAFP値101ng/ml以上、PVTTを有する症例であった。【結論】3群間において生存期間に有意差は認めなかった。しかし、So群の症例数が少なく、観察期間が短いなど問題点もあり、今後さらなる症例の積み重ねとともにRCTによる解析なども必要であると思われた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 化学療法 |