セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓(門脈圧亢進症)
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タイトル |
消P-79:当院における進行肝細胞癌症例での胃食道静脈瘤破裂98例の検討
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演者 |
河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
共同演者 |
佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 梶山 祐介(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 八島 陽子(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 杉本 貴史(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 菅田 美保(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
抄録 |
【目的】進行肝細胞癌に合併する食道胃静脈瘤は難治性であり、静脈瘤治療の適応や有効性については明らかなconsensusは得られていない。当院では進行肝細胞癌症例において、破裂をした時点で内視鏡的止血を行い、肝細胞癌治療を優先している。今回、進行肝細胞癌症例での胃食道静脈瘤破裂例に対する緊急止血の成績につき検討した。【方法と対象】2007年1月から2011年12月までの5年間に、当院にて進行肝細胞癌症例の胃食道静脈瘤破裂に対し緊急内視鏡治療を施行した98例を対象とした。96例に対し内視鏡的結紮術(EVL)で緊急止血を施行した。胃静脈瘤破裂の2例にそれぞれヒストアクリルによる内視鏡的止血術及びB-RTOを施行した。胃食道静脈瘤破裂時の背景、止血率、再出血率、無再破裂症例・再出血症例の生存率、全症例の生存率を検討した。さらに、対象症例を静脈瘤治療後6週間以内の早期死亡群と6週間以上生存した早期非死亡群の2群に分け検討した。【結果】男性76例、女性22例。平均年齢は62.4±11.2歳。基礎疾患はHBV/HCV/NBNCは30/52/16例。Child-Pugh分類はA /B/Cは5/54/16例。門脈腫瘍塞栓は59例(60.2%)でみられ、Vp2/Vp3/Vp4は4/21/34例。肝癌stage分類別ではIII/IVa/IVbは36/40/22。肝外転移は22例(22.4%)に認められた。止血率は98.0%であり、再出血率は35.7%であった。無再破裂症例および再出血例の生存期間中央値(MST)はそれぞれ40.2日と59.9日であった。全症例におけるMSTは55.8日であった。早期死亡群と早期非死亡群での検討では、単変量解析ではT-Bil、PT、αFP、αFP-L3及びPIVKA-IIが危険因子であったが、多変量解析ではT-Bil、αFP-L3及びPIVKA-IIであった。【結語】進行肝癌症例において緊急内視鏡治療により高率に止血が得られたが、その再出血率は高かった。早期死亡群と早期非死亡群の検討では予後は肝予備能の低下とHCCの因子の両方に影響されることが示された。 |
索引用語 |
肝細胞癌, 胃食道静脈瘤 |