セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓(門脈圧亢進症)
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タイトル |
消P-82:肝硬変性門脈大循環短絡症(CPSS)による慢性反復性肝性脳症に対してシャント閉塞治療を施行した6例
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演者 |
水本 健(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科) |
共同演者 |
河野 博孝(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 檜山 雄一(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 木村 治紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山本 宗平(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 平田 真由子(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山口 厚(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 桑井 寿雄(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 高野 弘嗣(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科) |
抄録 |
【はじめに】 肝性脳症は、肝機能の低下によるアンモニア解毒能の低下や、肝内外の門脈.体循環短絡路により、血中アンモニアが上昇することにより誘発される。多くは特殊アミノ酸製剤, 蛋白制限食,合成二単糖類製剤など でコントロールされるが、門脈体循環短絡路を有する症例では再発型を呈する症例も少なくない。今回我々は門脈.体循環短絡路を有し再発型を呈する症例に対し、シャント閉塞治療を施行し治療の効果、肝機能の推移、長期予後 について検討した。【対象と方法】 対象は2006年1月~2011年2月までに当院にて、CPSSを有し,薬物治療に抵抗性の慢性再発性肝性脳症に対して待期・予防的にシャント閉塞治療を施行した肝硬変症例6例、平均観察期間は27.6ヵ月である。背景肝はC型肝炎が3例、アルコール性肝炎,自己免疫性肝炎,原因不明がそれぞれ1例であった。Child-Pugh(CP)は1例が8点、その他は7点であった。HCCを合併している症例はなかった。術前のF1の食道静脈瘤を認める症例が2例あった。脾腎シャントに対してBRTOを施行したのが5例、肝門部の門脈から腰静脈を介して下大静脈に流入するシャントに対してPTOを施行したものが1例であった。 【結果】 全ての症例において治療後にNH3の有意な低下を認めた。T-Bil,AST,Alb,ChEも治療前と3ヵ月の比較では変化を認めないか改善を認めており、悪化は認めなかった。食道静脈瘤を認めた2例では治療後に増悪を認めたためEISを施行し以後良好な経過がえられている。CP8点の症例は治療後腹水の増悪を認めたが利尿剤でのコントロールが可能であった。4例は生存中で1例が他病死、1例が24カ月後にC型肝硬変進行による肝不全死であった。 全例で肝性脳症での再入院は認めていない。【まとめ】 肝性脳症のコントロールが困難なCPSSを有する症例に対して、シャント閉塞治療を用いた高アンモニア血症治療は有効と考えられた。 |
索引用語 |
肝性脳症, シャント閉塞術 |