セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(症例報告) |
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タイトル | 消P-98:肝細胞癌に対する肝動脈化学療法後経過観察中に肝病変および肺転移の著明な縮小を認めた1例 |
演者 | 猪川 祥邦(名古屋大大学院・消化器外科学) |
共同演者 | 杉本 博行(名古屋大大学院・消化器外科学), 山村 和生(名古屋大大学院・消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大大学院・消化器外科学), 山田 豪(名古屋大大学院・消化器外科学), 大橋 紀文(名古屋大大学院・消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大大学院・消化器外科学), 藤井 努(名古屋大大学院・消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大大学院・消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大大学院・消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大大学院・消化器外科学), 竹田 伸(名古屋大大学院・消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大大学院・消化器外科学) |
抄録 | 症例は63歳男性。C型肝炎にて通院中、肝S7に肝細胞癌を認め、当科にて2004年3月に肝後区域切除を施行した。2008年4月、フォローアップのCTにて多発肝再発を認め、同年5月、1回目の肝動脈化学塞栓療法(以下TACE)を施行した。抗癌剤としてはエピルビシンを用いた。その後、さらに肝内再発巣に対するTACEを繰り返し、2010年10月に施行した6回目のTACEではミリプラチンを使用するも、その後も再発を認めた。多発肝細胞癌再発であり、ソラフェニブ導入についての提案をするも、TACE継続を選択された。2011年7月、8回目のTACE目的の入院時施行した胸部X線検査により、多発肺転移も指摘された。また、T-Bil上昇も認められるようになり、肝動脈化学療法(以下TAI)のみの治療に留めた。同年8月にはAFP=215200ng/ml、PIVKA-II=5887mAU/mlと腫瘍マーカーの著明な上昇を認め、再度ソラフェニブ導入を勧めたが本人の拒否により導入せず、経過観察のみの方針としていた。しかし、同年11月にAFP=696 ng/ml、PIVKA-II=29 mAU/mlと著明な低下を認め、12月のCTでは肝病変、肺病変ともに著明な縮小を認めた。その後、一旦フォローアップのみの方針としたが、腫瘍マーカーの微増傾向を認め2012年3月に再度TAIを施行し、現在外来通院中である。肝細胞癌においては自然退縮を認めた症例の報告が散見される。本症例ではTAIの効果による影響も否定できないものの、無治療経過観察中に転移巣を含む著明な病変の縮小を認めており、興味深い症例であるため文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 自然退縮 |