セッション情報 |
シンポジウム6(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
画像強調内視鏡の現状と今後の展開-咽頭から十二指腸まで
|
タイトル |
内S6-1:0-IIb型咽喉頭表在癌診断における画像強調内視鏡の有用性
|
演者 |
大森 泰(慶應義塾大・内視鏡センター) |
共同演者 |
川久保 博文(慶應義塾大・一般消化器外科), 北川 雄光(慶應義塾大・一般消化器外科) |
抄録 |
【目的】咽喉頭表在癌は食道癌と異なり0-IIb型から0-IIa/I型を含む隆起型に進展する事が多い。0-IIa/I隆起型は上皮下層浸潤癌が多く、脈管侵襲/リンパ節転移例陽性例は全例が0-IIa/I型を含む隆起型である。従って内視鏡的治療による治癒が高率に期待できる病変は0-IIb型と考えられる。0-IIb型咽喉頭表在癌診断における画像強調内視鏡の有用性を検討する。【対象・方法】2000年1月-2012年3月までに経験した0-IIb型表在癌内視鏡治療例を対象とし発見方法・内視鏡所見・臨床病理学的所見等を検討する。【成績】2000年1月-2012年3月までに咽喉頭表在癌287例(523病変)を経験し食道癌取り扱い規約により定義した0-IIb(表面平坦)型病変は168例(287病変)である。男女比158:10、平均年齢64.3歳、喉頭・中下咽頭全域に発生し下咽頭梨状陥凹・後壁に多く認められた。79病変(27.6%)が白色光(拡大)観察発見であり、その他はNBI(拡大)観察・全身麻酔時ヨード染色にて発見された。同時期の全病型の白色光(拡大)観察発見率は62.4%である。病変長径2mm以下の微少病変では白色光(拡大)観察発見率15%、3-5mmでは27.7%、10mm以上の病変では78%である。また病変位置が輪状後部・梨状陥凹深部等の場合は10mm以上病変でも通常発見率は低くNBI発見例が増加した。視認困難部位には経口的valsalva法が有用であった。病変長径は3-42mm(平均19mm)、定型的0-IIbの内視鏡所見は淡い平坦発赤でBA陽性、B1血管(日本食道学会分類)を主とする異常血管増生を認めPCS陽性の明瞭なヨード不染となった。壁深達度はEP228病変(80%)、SEP59病変、SEP例はわずかな部位の浸潤で広域深層浸潤は無く内視鏡による浸潤部位診断は困難であった。【結論】0-IIb型咽喉頭表在癌は60%の病変が白色光(拡大)観察発見可能であるが5mm以下の小・微少病変発見にはNBI拡大観察が必須であり存在質的診断にNBI拡大観察は不可欠の診断方法である。 |
索引用語 |
咽喉頭表在癌, 画像強調内視鏡 |