共同演者 |
坂本 梓(大阪赤十字病院・消化器科), 井口 恵里子(大阪赤十字病院・消化器科), 竹田 治彦(大阪赤十字病院・消化器科), 犬塚 義(大阪赤十字病院・消化器科DELIMITER京都大・消化器内科), 松田 史博(大阪赤十字病院・消化器科), 金坂 卓(大阪赤十字病院・消化器科), 中島 潤(大阪赤十字病院・消化器科), 邉見 慎一郎(大阪赤十字病院・消化器科), 幡丸 景一(大阪赤十字病院・消化器科), 斎藤 澄夫(大阪赤十字病院・消化器科), 那須 章洋(大阪赤十字病院・消化器科), 西川 浩樹(大阪赤十字病院・消化器科), 関川 昭(大阪赤十字病院・消化器科), 津村 剛彦(大阪赤十字病院・消化器科), 圓尾 隆典(大阪赤十字病院・消化器科), 岡部 純弘(大阪赤十字病院・消化器科), 喜多 竜一(大阪赤十字病院・消化器科), 木村 達(大阪赤十字病院・消化器科), 大﨑 往夫(大阪赤十字病院・消化器科) |
抄録 |
【はじめに】RFAの重大な合併症の1つとして胆管障害がある. 胆管障害は通常熱が直接伝導する部位に生じるとされているが, 今回我々はRFA治療部位とは異なる区域に胆管障害を来した4症例を経験したので報告する.【症例1】68歳男性. 2003年, S8 に19mmの初発肝細胞癌(HCC)を認め、肝動注化学療法(TAI)の後 RFAを施行した. 2007年, S4 に30mmの再発HCCを認め, TAI, RFAを施行した. その後の評価CTで肝後区域枝に胆管拡張を認めた.【症例2】74歳男性. 2005年, S8 に22mmの初発HCCを認め, TAI, RFAを施行した. TAI後の評価CTでは胆管障害は認めなかったが, RFA後評価CTにて肝後区域枝に胆管障害を認めた.【症例3】67歳男性. 2009年, S8 に10mmの初発HCCを認め, TAI, RFAを施行した. 2010年, S8 に10mmの再発HCCを認め, TAI, RFAを施行した. RFA 37日後のCTにて肝外側区に胆管障害を認めた. 【症例4】33歳男性. 2009年, S2に20mmの初発HCCに対し肝左葉切除術を施行した. 2010年, S4 に8mmの再発HCCを認め、TAI, RFAを施行したところ, RFA4ヶ月後のCTにて肝後区域枝に胆管障害を認めた. 今回経験した4症例のうちいずれの症例もHCCは初発か1回目の再発であり, 肝硬変重症度は軽度であった. また, 胆管障害は4症例ともTAI後には認めず, RFA後に認めた. 【考察】肝細胞癌に対しTAI, RFAを施行したところ, RFA熱凝固領域とは異なる区域の胆管に障害を来した. TAIによる胆管障害は胆管周囲血管叢の虚血により発生し, RFAによる胆管障害は直接的な熱凝固により発生するとされている. TAI, RFAによる胆管障害から今回のような病態を引き起こす可能性に対して若干の文献的考察を含めて考察する. |