セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(その他)

タイトル 消P-105:

肝硬変に対する肝不全用経口栄養剤の有用性の検討

演者 辻 重継(石川県立中央病院・消化器内科)
共同演者 金子 佳史(三ヶ根クリニック), 土山 寿志(石川県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝硬変に対する分岐鎖アミノ酸(BCAA)の投与は蛋白合成能の改善に有効だが,アミノ酸単独では十分ではなく,糖質や脂質,ビタミンやミネラルを総合的に与えることが重要である.今回,BCAA顆粒製剤(リーバクト®配合顆粒:以下,顆粒剤)から肝不全用経口栄養剤(アミノレバン®EN:以下,経口剤)への切り替えによる栄養状態や自覚症状の改善に対する効果について検討する.【方法】対象は2010年3月~2010年12月までに通院中の肝硬変患者のうち,3か月以上顆粒剤3包/日内服中の15例.経口剤1包/日へ切り替えて3か月間投与し,血清Alb値が上がらなかった例は2包/日に増量し3か月間投与した.切り替え時と投与後1か月毎に血液検査と自覚症状(集中力,こむら返り,易疲労感,全身倦怠感,筋力低下(それぞれ3段階にスコア化))について検討した.【成績】平均年齢:71.8歳,男/女:5/10例,HCV/自己免疫性/不明:13/1/1例,Child-Pugh分類GradeA/B:11/4例であった.6か月間服用可能であったのは8例であり,そのうちAlb値が上がらなかったのは2例で,1例は2包/日に増量したが1例は服薬コンプライアンスの問題から増量が困難であった. 4例は服薬コンプライアンスの問題から3か月間以上の服用が困難であり,経過中2例は肝癌を発症しTACEが施行され,1例が他疾患により入院加療を要し服薬困難であった.全例が1包/日の服用可能であった最長投与期間は2か月であり,Alb値は切り替え時/2か月後:3.61±0.46/3.66±0.54 g/dlであり,有意差は認めなかった.血小板数は,8.5±2.5/9.2±2.9(104/μl), p<0.01と上昇した.自覚症状は,こむら返り(2.1±0.9/1.5±0.6,p<0.01),易疲労感(2.2±0.7/1.7±0.7,p=0.01),筋力低下(1.7±0.6/1.5±0.5,p=0.04)で改善を認め,合計点(15点満点)は9.5±2.8/7.7±2, p<0.01と低下した.【結語】BCAA顆粒製剤3包/日から肝不全用経口栄養剤1包/日への切り替えにより,Alb値の低下を示すことなく,自覚症状の改善を認めた.しかし,長期間の服用が困難な例もみられ,服薬コンプライアンスの改善が必要と考えられた.
索引用語 肝硬変, 肝不全用経口栄養剤