セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(診断)

タイトル 消P-111:

胆嚢癌の鑑別におけるFDG-PETの有用性と炎症反応上昇時の偽陽性に関する検討

演者 津村 亜矢子(和歌山県立医大・2外科)
共同演者 谷 眞至(和歌山県立医大・2外科), 川井 学(和歌山県立医大・2外科), 上野 昌樹(和歌山県立医大・2外科), 岡田 健一(和歌山県立医大・2外科), 廣野 誠子(和歌山県立医大・2外科), 宮澤 基樹(和歌山県立医大・2外科), 速水 晋也(和歌山県立医大・2外科), 清水 敦史(和歌山県立医大・2外科), 北畑 裕司(和歌山県立医大・2外科), 山口 俊介(和歌山県立医大・2外科), 中村 公紀(和歌山県立医大・2外科), 岩橋 誠(和歌山県立医大・2外科), 中森 幹人(和歌山県立医大・2外科), 堀田 司(和歌山県立医大・2外科), 山上 裕機(和歌山県立医大・2外科)
抄録 【はじめに】FDG-PET(以下PET)は、腫瘍組織における糖代謝レベルの上昇を検出することにより癌の存在診断や良悪の鑑別に用いられている。胆道癌においてもその有用性は報告されているが、PETは炎症組織においても集積が認められるため、黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)などにおいて偽陽性を示す。今回、胆嚢癌におけるPETの診断能が炎症反応の有無によりどれだけ影響されているかを検討した。【対象と方法】2010年5月から2011年12月までにCT、US等の画像診断より胆嚢癌を疑われPETを撮影し当院で手術を施行した12例を対象とし、炎症反応別にその診断率を求めた。【結果】PET陽性を11例に認め(胆嚢癌8例、XGC2例、慢性胆嚢炎1例)、PET陰性を1例に認めた(慢性胆嚢炎)。以上より全体における診断能は、感度100%、特異度25%、陽性的中率72.7%であった。次に、炎症反応との関連について検討した。CRP陰性(<0.5mg/dl)例(6例)では、5例がPET陽性かつ胆嚢癌(T1:1例、T2:4例)の診断であり、1例はFDG-PET陰性かつ慢性胆嚢炎の診断であり、感度、特異度、陽性的中率ともに100%であった。CRP陽性(≧0.5mg/dl)例(6例)では、全例がPET陽性で、3例が胆嚢癌(T3:1例、T4:2例)、3例が良性疾患であり、感度100%、特異度0%、陽性的中率50%であった。【まとめ】PETにおける胆嚢癌の検出は感度が高く、転移の有無などの存在診断には有用であると考えられる。しかし良性疾患との鑑別診断に関しては特異度が低く、炎症反応陽性例では特にその結果の解釈には慎重になるべきと考え、逆にCRP陰性例では診断に有用であると考えられる。胆嚢癌鑑別におけるPET検査の際は、炎症反応陽性の場合にその適応を再考する必要があると考える。
索引用語 胆嚢癌, PET