セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(診断)

タイトル 消P-114:

乳頭括約筋内圧からみた乳頭括約筋機能障害の評価および治療について

演者 柴田 將(岩手医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科), 春日井 聡(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】乳頭括約筋機能障害(Sphincter of Oddi Dysfunction;以下SOD)には器質的障害と機能的障害があり両者の鑑別は困難なことが多い。今回我々はの乳頭括約筋内圧を測定し、その特徴について検討する。【方法】当科で2009年8月から2012年1月までの3年5カ月間で11例がSOD疑いで入院した。これら患者に対しModified Milwaukee分類;以下MMC分類、ROME 3分類、内視鏡的乳頭括約筋内圧測定(Sphincter of Oddi Manometory;以下SOM)で評価を行った。測定装置:内圧センサーを2個有する胆管機能検査システムGMMS-Oddi 602 2ch;Star Medical社製を使用し評価した。またSOMによるSODの診断は乳頭括約筋基礎圧40mmHg以上、収縮頻度7回/分以上、逆行性伝搬の比率50%以上のうち2項目以上合致例とした。【成績】11例中4例をSODと診断した。年齢:18歳~63歳、性別:男2例、女2例、背景疾患:1例が胆嚢摘出後、3例は背景疾患なし。MMC分類:type 1 2例、Type 2 2例、ROME 3分類:type 1 1例、Type 2 3例であった。SOMの結果は乳頭括約筋基礎圧:-6~38mmHg、平均12mmHg、収縮頻度回数:2~20回、平均7.25回、逆行性伝搬を認めた症例は0例でありSOMでSODと診断した症例はなかった。検査後11例中2例に軽症膵炎を認めた。MMC分類でtype 1と診断した2例に対しESTを施行し腹痛の消失、肝機能の改善を認めた。【結論】11例に対しSOMを施行し合併症は軽症膵炎を2例に認めたが、重症膵炎等の重篤な合併症は認めず、安全に施行できる検査と考えられた。しかしMMC分類、ROME 3分類とSOMの診断基準には乖離がありSOMの新たな診断基準が必要と考えられた。
索引用語 乳頭括約筋機能障害, SOM