セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)1

タイトル 消P-118:

急性胆道炎に対する経皮的胆嚢ドレナージの現状

演者 加藤 洋介(厚生連高岡病院・外科)
共同演者 尾山 佳永子(厚生連高岡病院・外科), 三輪 武史(厚生連高岡病院・外科), 申 寿東(厚生連高岡病院・外科), 村杉 恵子(厚生連高岡病院・外科), 吉田 周平(厚生連高岡病院・外科), 出村 嘉隆(厚生連高岡病院・外科), 奥田 俊之(厚生連高岡病院・外科), 太田 尚宏(厚生連高岡病院・外科), 原 拓央(厚生連高岡病院・外科)
抄録 【背景】急性胆嚢炎に対する治療指針として早期の胆嚢摘出術が推奨されているが、全身状態不良や重篤な併存疾患、高齢などにより困難であることも多い。急性胆嚢炎に対する早期手術が困難な場合、経皮的ドレナージが有用とされている。【方法】2008年1月から2011年12月までの間に、急性胆嚢炎の診断で経皮的胆嚢ドレナージ術を施行した連続66症例を対象として、後ろ向きに検討した。【成績】経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)が65例、経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA)が1例施行された。男女比41:25、平均年齢75.1歳、術前診断は急性胆石性胆のう炎が62例、無石胆嚢炎が4例であった。胆嚢炎の重症度診断は重症が17例、中等症が41例、軽症が8例であった。併存疾患を55例(83.3%)に、抗凝固薬・抗血小板薬内服を20例(30.3%)に認めた。2例でUS上胆嚢が十分に観察されず、手技的成功率は97.0%であった。胆汁培養を64例で施行し、41例(64.0%)で陽性であった。2菌種以上の重複感染を22例に認めた。主な起炎菌はE.coli:19例、Klebsiella:14例、Clostridium:9例、Enterococcus:10例、Enterobacter:6例、Streptococcus:5例であった。臨床的有効率は100%であった。偶発症を6例(9.1%)に認めた。逸脱を3例、自己抜去を2例認めたが、いずれも保存的に軽快した。穿孔を1例(1.5%)に認め、緊急手術を行い軽快した。出血性合併症は認めなかった。重篤な併存疾患を有した2例が他病死した(癌死1例、肺炎1例)。52例に待機的に胆嚢摘出術を施行した。手術を行わなかった12例中3例(25%)に胆嚢炎の再発を認め、後日胆嚢摘出術を施行した。【結論】早期胆嚢摘出術が困難な急性胆嚢炎に対する経皮的胆嚢ドレナージは安全で有効な治療法である。胆嚢摘出術を行わなかった場合、カテーテル抜去後の再燃に注意が必要である。
索引用語 経皮的胆嚢ドレナージ, 急性胆のう炎