セッション情報 |
シンポジウム6(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
画像強調内視鏡の現状と今後の展開-咽頭から十二指腸まで
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タイトル |
内S6-3:表在食道癌の存在診断におけるNBIとAFIの精度
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演者 |
石原 立(大阪府立成人病センター・消化管内科) |
共同演者 |
竹内 洋司(大阪府立成人病センター・消化管内科), 飯石 浩康(大阪府立成人病センター・消化管内科) |
抄録 |
【目的】通常内視鏡の表在食道癌検出感度は50%程度と高くなく、癌の見落としが懸念される。ヨード染色の食道表在癌診断における感度は高いが、検査後には胸焼け等の症状が高頻度にみられ、スクリーニングには不向きである。Image enhanced endoscopy(IEE)は染色液を用いることなく癌の強調表示が可能で、本法を用いれば食道癌のより効率的なスクリーニングを行える可能性がある。そこで今回我々は食道癌スクリーニングにおけるNBIと自家蛍光内視鏡(AFI)の診断精度を評価した。【方法】食道癌発生のハイリスク症例(食道癌、頭頚部癌の治療前症例と食道癌内視鏡治療後、頭頚部癌治療後の症例)を対象にした。検討1(NBI)まず食道をQ240ZもしくはH260ZでNBI観察し新たな病変の拾い上げを行い、その後ヨード染色を行い不染部より生検を採取した。組織結果をReference standardとしてNBI観察の診断精度を算出した。検討2(AFI)まず食道をFQ260ZでAFI観察し新たな病変の拾い上げを行い、以後はNBIの検討と同様に行った。【成績】検討1(NBI)2007年10月から2009年1月までに、食道癌発生のハイリスク症例338例に対しNBI観察を行い新たな表在癌42病変が発見された。病変ベースでの解析ではNBIの感度は81%(34/42病変)、陽性的中割合は42%(34/81病変)であった。またNBIの感度は病変径に関わらず81%と高くなっていた。検討2(AFI)2009年7月から2010年8月までに、食道癌発生のハイリスク症例372例に対しAFI観察を行い、新たな表在癌43病変が発見された。病変ベースでの解析ではAFIの感度は60%(26/43病変)、陽性的中割合は25%(26/103病変)と、いずれもNBIと比べ低かった。またAFIの感度は10mm未満の病変で0%と低くなっていた。【結論】NBIの食道表在癌に対する診断感度は81%と高く、食道癌ハイリスク群に対するスクリーニングに応用可能と考える。 |
索引用語 |
食道癌, NBI |