セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)1

タイトル 消P-120:

経皮胆道ステント挿入についての検討

演者 安藤 知子(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵))
共同演者 亀田 亮(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 小林 智(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 上野 誠(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 大川 伸一(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵))
抄録 【目的】悪性胆道狭窄に対しては経乳頭的ドレナージを行うことが一般的であるが、実臨床では様々な理由から経皮経肝胆道ドレナージ(以下PTBD)が行われるケースもある。一方で2003年に小腸鏡が市販されて以降、外科的切除後の症例に対しては小腸鏡使用下の胆道ドレナージ(以後小腸鏡下胆道ドレナージ)も増えつつある。しかし経皮経肝胆管ステント留置術の治療成績及び小腸鏡下胆道ドレナージとの比較について報告は少なく、今回我々は当院で施行した症例について検討した。【方法】2009年2月~2011年8月までに当院で経皮経肝胆管ステント(EpicTM Biliary Stent(Boston Scientific社)もしくはLuminex(BARD社)を使用)留置した31症例35件について挿入時間、開存期間、手技に伴う合併症につき比較検討した。【対象】患者背景:(男/女:20/11)平均年齢:64.5歳 原疾患:膵癌/膵IPMC/胆道癌/消化管癌15/1/11/4 ステント挿入後化学療法施行/未施行:23/12件 ステント乳頭出し/インサイドステンティング27/8件【成績】平均ステント挿入時間:16.8分 PTBD後内瘻化までの平均期間:6.67日 平均開存期間:158.3日 ステント留置後化学療法施行/未施行平均開存期間:201.6/109.8日 ステント乳頭出し/インサイドステンティング平均開存期間153.8/180.6日 合併症:2例(胆管炎/胆汁性腹膜炎1/1)【考察】ステント留置にかかる時間は外瘻チューブ留置後の検討だが平均約16.8分であった。小腸鏡が施行可能な施設は限られており、小腸鏡下胆道ドレナージと比較すると誤嚥性肺炎等のリスク、身体的苦痛は少なく比較的簡便に受けられる処置であると考えられた。しかし小腸鏡検査の合併症が0.3~1.0%との報告と比較すると5.7%にステント留置に伴う合併症が認められ、今後症例を集積し更なる検討が必要と考えられた。なおステントの開存期間には、留置後の化学療法施行の有無、ステント留置部位が寄与する可能性が示唆された。【結語】経皮経肝胆管ステント留置につき比較検討したのでここに報告する。
索引用語 胆道ステント, 小腸鏡