セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)1

タイトル 消P-121:

胃切除既往例に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術

演者 中川 国利(仙台赤十字病院・外科)
共同演者 深町 伸(仙台赤十字病院・外科), 小川 仁(仙台赤十字病院・外科), 小林 照忠(仙台赤十字病院・外科), 遠藤 公人(仙台赤十字病院・外科), 鈴木 幸正(仙台赤十字病院・外科)
抄録 【対象】当科で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出4,193例の内、胃切除既往歴を有した100例を対象とした。胃切除の原疾患は、胃癌57例および胃・十二指腸潰瘍43例であった。また胃切除術式は全摘16例、噴門側胃切除2例、幽門側胃切除82例であった。再建術式は、Roux―en Y 16例、食道胃吻合2例、Billroth 1法52例、Billroth 2法30例であった。また虫垂切除術26例、腸閉塞手術7例、胆嚢切石術3例など、38例で計44回の開腹手術歴を有していた。なお急性胆嚢炎合併31例では、胆嚢ドレナージは行わずに原則として入院24時間以内に手術を施行した。【結果】術中偶発症は1例で、最初のトロカール挿入時に腹膜に癒着した小腸を損傷した。なお開腹創を延長して腸管縫合し、他の創から再度トロカールを挿入して、腹腔鏡に胆嚢を摘出した。また既往手術による癒着剥離困難5例、急性胆嚢炎による癒着剥離困難2例、および術中胆嚢癌判明2例で開腹移行し、開腹移行は10例(10.0%)であった。なお手術時間は平均57.1分であり、出血量は約30mlであった。術後偶発症はとくになく、腹腔鏡下に施行し得た症例では手術翌日から経口摂取を開始し、術後平均入院期間は6.4日であった。また早期の社会復帰が可能であった。【結語】胃切除既往例に対しても、手術侵襲が少ない腹腔鏡下胆嚢摘出術を最初に試みる意義があると思われた。
索引用語 胃切除既往, 腹腔鏡下胆嚢摘出術