セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)1

タイトル 消P-122:

進行再発胆道癌gemcitabine治療症例の予後と効果予測因子の検討

演者 村田 哲洋(大阪市立大・腫瘍外科学)
共同演者 天野 良亮(大阪市立大・腫瘍外科学), 木村 健二郎(大阪市立大・腫瘍外科学), 山田 靖哉(大阪市立大・腫瘍外科学), 仲田 文造(大阪市立大・腫瘍外科学), 永原 央(大阪市立大・腫瘍外科学), 野田 英児(大阪市立大・腫瘍外科学), 久保 尚士(大阪市立大・腫瘍外科学), 田中 浩明(大阪市立大・腫瘍外科学), 六車 一哉(大阪市立大・腫瘍外科学), 八代 正和(大阪市立大・腫瘍外科学), 前田 清(大阪市立大・腫瘍外科学), 大平 雅一(大阪市立大・腫瘍外科学), 石川 哲郎(大阪市立大・腫瘍外科学), 平川 弘聖(大阪市立大・腫瘍外科学)
抄録 【目的】胆道癌は外科的切除が唯一の根治的治療とされているが、切除不能進行癌や切除後の再発例に対しては化学療法が中心となり、胆道癌診療ガイドラインでは、切除不能進行癌に対する化学療法としてgemcitabine(GEM)またはTS-1が推奨されている。しかし、その治療成績は未だ満足できるものではなく、抗癌剤治療の有効性を探ることが重要課題の一つであると考える。今回我々はGEMの代謝に関与する3つの因子、human equilibrative nucleoside transporter 1 (hENT1)、deoxycitidine(dCK)、ribonucleotide reductase M1(RRM1)に着目し、進行再発胆道癌における感受性因子としての有用性を検討した。【方法】対象は1996年5月から2011年9月の間に、1st lineとしてGEM治療を行った進行再発胆道癌31例であり、組織におけるhENT1、dCK、RRM1発現と予後との関連をretrospectiveに免疫組織学的検討を行った。【結果】進行再発胆道癌31例(肝外胆管癌18例、胆嚢癌10例、乳頭部癌3例)の平均年齢は66.8歳、男性17例、女性14例であった。31例中、hENT1陽性群は19例(61.3%)、dCK陽性群は17例(54.8%)、RRM1陽性群は20例(64.5%)であった。生存期間ではhENT1陽性群の生存期間中央値(MST)は11.4ヵ月で、陰性群の4.5ヶ月に比べ有意に延長していた(p=0.0021)。また、hENT1陽性群の無増悪進行生存期間の中央値は7.7カ月で、陰性群の2.5ヶ月に比べ有意に延長していた(p=0.0014)。一方、dCKとRRM1の発現と生存期間には有意な相関関係は認めなかった。生存期間の単変量解析ではhENT1発現のみが有意差を示し、予後規定因子と考えられた。【結論】進行再発胆道癌症例におけるhENT1高発現は、GEM治療の効果予測因子として有用であることが示唆された。
索引用語 gemcitabine, 進行再発胆道癌