セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(治療)2 |
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タイトル | 消P-124:75歳以上の高齢者胆道癌膵癌に対するTS-1を用いた化学療法の検討 |
演者 | 野上 明子(高松赤十字病院・消化器科) |
共同演者 | 玉置 敬之(高松赤十字病院・消化器科), 野田 晃世(高松赤十字病院・消化器科), 上田 祐也(高松赤十字病院・消化器科), 宮本 由貴子(高松赤十字病院・消化器科), 大原 芳章(高松赤十字病院・消化器科), 吉岡 正博(高松赤十字病院・消化器科), 小川 力(高松赤十字病院・消化器科), 松中 寿浩(高松赤十字病院・消化器科), 柴峠 光成(高松赤十字病院・消化器科) |
抄録 | 【目的】当科における高齢者胆道癌膵癌患者に対するTS-1を用いた化学療法をレトロスペクティブに解析し治療効果と有害事象について検討する。【方法】2006年11月~2012年2月までに当科でTS-1を用いた化学療法を施行した75歳以上の高齢者胆道癌患者10例(Stage2:1例、Stage3:1例、Stage4:8例)膵癌患者11例(Stage3:4 例、Stage4:7例)を対象とした。【成績】年齢中央値は81歳(75歳-92歳)。21例に平均8792mg/bodyのTS-1を含む化学療法が施行され、19例はTS-1単剤投与、2例はゲムシタビンとの併用療法であった。1次治療は16例、ゲムシタビンに続く2次治療は5例であった。TS-1の投与方法は患者の状況に応じて様々な投与方法が選択されたが62%で3クール以上の維持投与が可能であった。投与方法は80mg/body/dayの4週間内服2週間休薬(4投2休)が3例、2投2休が1例、2投1休が5例、1投1休が3例であり、120mg/body/dayの4投2休が1例であった。一方38%が継続投与不能であり、その要因は75%が病状進行、25%が有害事象であった。維持投与可能であった症例の治療効果は胆道癌で奏功率28.6%、生存期間中央値はStage2:308日、Stage4:319日(2例は生存中であるため生存期間中央値の評価からは除外)、膵癌で奏功率16.7%、生存期間中央値はStage3:465日、Stage4:235日であった。Grade3以上の有害事象は血小板減少1例、ヘモグロビン減少2例、食欲不振2例、好中球減少1例であった。【結論】75歳以上の高齢者胆道癌膵癌患者に対してTS-1投与量の減量や連続投与期間の短縮・休薬期間の延長等の投与方法の変更を行うことによって比較的安全に投与可能であった。胆道癌膵癌において高齢者は合併症や全身状態のために手術非適応となることが多いが、TS-1はそのような症例にも比較的安全に投与可能な薬剤と考えられる。 |
索引用語 | TS-1, 高齢者化学療法 |