セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)2

タイトル 消P-126:

急性胆嚢炎における内視鏡的胆嚢ドレナージの有効性と問題点

演者 永田 順子(東海大八王子病院・消化器内科)
共同演者 高清水 眞二(東海大八王子病院・消化器内科), 小嶋 清一郎(東海大八王子病院・消化器内科), 矢崎 利典(東海大八王子病院・消化器内科), 丸野 敦子(東海大八王子病院・消化器内科), 木嶋 麻衣子(東海大八王子病院・消化器内科), 市川 仁志(東海大八王子病院・消化器内科), 白井 孝之(東海大八王子病院・消化器内科), 渡辺 勲史(東海大八王子病院・消化器内科)
抄録 【目的】急性胆嚢炎の治療法として胆嚢摘出術や経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)が行われている。しかし、最近では、抗凝固剤服用中や基礎疾患に伴うハイリスク症例が多くなってきた。今回我々は、2011年4月から2012年3月までに基礎疾患を有する患者でハイリスクを伴う6例を経験し、内視鏡的胆嚢ドレナージ(ENGBD)を行ったので、臨床背景と問題点について検討した。【対象および方法】2011年4月から2012年3月まで当院で診断されたハイリスクを伴う急性胆嚢炎に対し施行した内視鏡的胆嚢ドレナージ5例を対象とした。基礎疾患は肝硬変の1例、再生不良性貧血に伴う血小板低値・冠動脈ステント挿入後で抗血小板剤内服中の1例、前立腺癌末期・脳梗塞で抗血小板剤内服中の1例、冠動脈バイパス術後で抗凝固剤+抗血小板剤内服中の1例、脳疾患術直後の1例であった。胆嚢管挿入に使用したカテーテルは、2WAY カテーテルかswing tip、ガイドワイヤーはラジフォーカスかJagwireかレボウェーブを使用し、経乳頭的に5Fr. pig tailのドレナージチューブまたはステントを胆嚢内に留置した。【結果】男性4例、女性1例、平均年齢は68.4歳(53-72)、胆嚢炎の原因は胆嚢結石3例、胆泥のみが2例であった。ENGBD挿入時の成功率は100%で、挿入時の合併症は認められなかった。チューブ挿入期間は平均16日(10-21)で、全例ENGBDにて病態は改善し、チューブ抜去が可能となった。チューブ挿入中のトラブルはなく、チューブ抜去後の胆嚢炎の再発は認められなかった。5例中4例は手術ハイリスク例で経過観察となり、1例は後日胆嚢摘出術を行った。【結論】内視鏡的胆嚢ドレナージは手技の難易度が高く、合併症の可能性もあるが、急性胆嚢炎のハイリスク群(抗凝固剤内服中、手術不適応例など)でPTGBDが施行できない症例の改善に内視鏡的胆嚢ドレナージは有用な方法であると考えられた。
索引用語 内視鏡的胆嚢ドレナージ, 胆嚢炎