セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(治療)2 |
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タイトル | 消P-127:当院における胆管炎に併発したDICに対するトロンボモジュリン アルファ製剤の使用経験 |
演者 | 笹本 貴広(上尾中央総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 近藤 春彦(上尾中央総合病院・消化器内科), 深水 雅子(上尾中央総合病院・消化器内科), 川上 知孝(上尾中央総合病院・消化器内科), 渡邉 東(上尾中央総合病院・消化器内科), 明石 雅博(上尾中央総合病院・消化器内科), 丸茂 達之(上尾中央総合病院・消化器内科), 松下 功(上尾中央総合病院・消化器内科), 土屋 昭彦(上尾中央総合病院・消化器内科), 西川 稿(上尾中央総合病院・消化器内科), 山中 正己(上尾中央総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【諸言】トロンボモジュリン アルファ(以下rTM)は従来の抗DIC治療薬とは異なる作用機序でその効果が期待されている。炎症の致死的メディエーターとして認識されているhigh mobility group box 1(HMGB1)の抑制についても報告されており、抗凝固作用のみならず、抗炎症作用を発現して敗血症性DICに対してすぐれた効果を発揮すると考えられている。2011年5月~2012年2月の間に胆管炎に併発したDIC症例に対して、rTM投与した4症例を経験したのでその治療効果を検討した。【症例】62~76歳。平均年齢70.5歳。全例男性。原疾患は症例1:総胆管結石、症例2:総胆管結石+肝内胆管結石、症例3:胆管癌、症例4:胆嚢癌胆管浸潤であった。【rTM投与基準】急性期DICスコア4点以上の症例に対して添付文章に準じて投薬。【結果】全例減黄処置が成され、抗生剤加療が開始されている。DIC診断時の各症例で急性期DICスコア(点)・血小板数・FDP(μg/ml)は症例1:5、10.3万、93、症例2:7、5.5万、83、症例3:8、5.8万、74、症例4:4、7.6万、7であった。rTM投与5日目の評価で症例1、症例4はDICを脱し退院の方向性となった。症例2、症例3は投与5日目の評価で急性期DICスコアの改善が得られず、最終的に不幸な転機を辿った。【考察】rTMは敗血症に伴うDICに対してその有用性が期待されている新規薬剤といえる。一方急性閉塞性化膿性胆管炎は敗血症からDIC、多臓器不全に陥る重篤な病態であり、胆道ドレナージとともに適切な補助療法の実施が肝要であり、早期にDICを診断し集学的な加療の導入が必要である。当院で経験した胆管炎・DICに対するrTM使用患者において、4例中2例で比較的早期にDICを離脱。良好な経過が得られ退院が可能であった。トロンボモジュリン アルファ製剤の有効性について若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胆管炎, DIC |