セッション

検索結果は8件です。

司会の言葉
古瀬 純司(杏林大学腫瘍内科)
 膵癌は 5 年生存率が10%未満と極めて予後不良の疾患である.この難治癌克服のためには,有効な化学療法が必須であり,進行癌に対する治療,切除手術の補助療法,さらに放射線治療との併用まで,化学療法に対する期待は大きい.近年,ゲムシタビン,S‐1,エルロチニブなどの抗がん薬が保険適用に承認され,予後は確実に改善してきている.さらに,FOLFIRINOX療法やゲムシタビン+ナブ・パクリタキセルなど海外...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

膵癌術後補助化学療法の進歩と今後の展望
上坂 克彦(静岡がんセンター肝胆膵外科)
2007年にCONKO-001の結果が発表されて以来,膵癌の術後補助化学療法はゲムシタビン(GEM)療法が標準であった.日本膵癌補助療法研究グループ(JASPAC)は,2013年1月のASCO GI,次いで同年6月のASCOで「膵がん切除後の補助化学療法における塩酸ゲムシタビン療法とS-1療法の第III相比較試験」(JASPAC 01)を発表した.本試験はGEM療法に対するS-1療法の生存期間にお...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

切除企図膵癌に対する術前GS療法(NAC-GS):術前治療の標準化に向けて
元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科)
膵癌で根治可能な治療は手術だが,切除単独での限界も明らかである.非手術療法での長期生存は困難だが,近年の化学療法の進歩に伴い,集学的治療で成績向上の可能性がある.【目的】切除企図膵癌に対する術前GS療法(NAC-GS)の有効性を検証し,標準治療として確立する.【方法】1.日本肝胆膵外科学会プロジェクト研究(膵03)で17施設の切除企図膵癌を解析.2.切除可能・切除境界膵癌に対し,多施設共同でNAC...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

膵癌の化学放射線療法
中村 聡明(京都府立医科大学放射線診断治療学講座)
膵癌に対する放射線療法の主な役割として,切除不能局所進行膵癌に対する根治的化学放射線療法,切除可能膵癌に対する術前化学放射線療法がある.
切除不能局所進行膵癌に対する根治的化学放射線療法は,GEM併用またはS-1併用化学放射線療法にて良好な結果が報告されている.化学放射線療法の利点としては,化学療法単独に比し,2年生存割合などの中長期的な生存割合の向上を図れることや局所制御による疼痛緩和が期...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

切除不能の局所進行膵癌に対するゲムシタビンおよびS-1(GS)を併用した化学放射線療法(I/II相試験)
井岡 達也(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科)
【はじめに】ゲムシタビンおよびS-1(以下,GS療法)を同時併用した化学放射線療法(CRT)について報告する.【方法】対象は,局所進行膵臓癌のうち,主要動脈浸潤により切除不能と診断された症例.放射線照射(以下RT)は,連続28日間,1日1回1.8グレイ(計50.4グレイ)を照射した.【結果】2006年2月から2007年5月までに,合計15例が登録された.レベル2でDLT2例(嘔吐2例),レベル3で...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

進行膵癌に対する化学療法の治療成績は改善したか?~GEM・S-1時代を超えて~
中井 陽介(東京大学消化器内科)
【背景】我々はこれまで,S-1による進行膵癌の予後改善を報告した(Pancreas 2010, JJCO 2010).その後もoxaliplatin/CPT-11/paclitaxelによる2次治療以降,gemcitabine(GEM)・candesartan(GECA)の1次治療など,予後改善を目指して臨床試験を行っており,その結果について05年S-1導入後から現在まで,年代別に再検討した.GE...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

膵癌患者に対するABI-007(nab-paclitaxel)の臨床開発:日本人におけるABI-007+Gemcitabine療法第I/II相試験
上野 秀樹(国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科)
【目的】ABI-007(nab-paclitaxel,アブラキサン?)の膵癌領域における臨床開発として,米国においてABI-007+Gemcitabine(GEM)療法の第I/II相試験が実施され,良好な治療成績が示唆された.続いて海外11ヶ国にて第III相試験(MPACT試験)が実施され,GEM単独群に比べABI-007+GEM併用群で全生存期間(OS)の有意な延長が報告さ...

第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩

化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌に対するFOLFIRINOX併用療法の第II相臨床試験
福冨 晃(静岡県立がんセンター消化器内科)
[目的]化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌(MPC)に対し,FOLFIRINOX療法がGEM療法に比べOS及びPFSを有意に改善することが報告された(ACCORD11試験).本邦におけるFOLFIRINOX療法の有効性及び安全性の確認を目的に第II相臨床試験を実施した.[方法]FOLFIRINOX療法は,Day1にL-OHP 85 mg/m2,l-LV 200 mg/m 第100回日本消化器病学会総会膵癌化学療法の進歩