セッション

検索結果は13件です。

司会の言葉
松井 修(金沢大学先進画像医学研究教育講座)
 早期肝細胞癌の診断は従来,肝腫瘍生検によってのみ可能であった.しかしながら,2008年のEOB‐MRIの登場により病理学的早期肝細胞癌はEOB‐MRIでは乏血性で肝細胞相で低信号を示す結節として描出されることが明らかとなり急速に早期肝細胞癌の画像診断が可能となってきた.但し,dysplastic noduleが肝細胞相で信号低下を示したり,逆に早期肝細胞癌でもEOB‐MRI肝細胞相で等信号を示す...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

早期肝細胞癌の血流・機能診断:病理学的・分子病理学的背景を中心に
小林 聡(金沢大学経血管診療学)
 異型結節のなかに少しでも間質浸潤を示す部分があれば病理学的には早期肝細胞癌(早期肝癌)と定義される.このような結節ではピンポイントの画像診断は理論的に不可能である.こうした点から,早期肝癌の画像診断には肝癌多段階発癌にともなう画像所見の多段階的変化を理解することが必須である.異型結節からの多段階発癌過程の進行に伴い結節内門脈域・門脈血流は段階的に減少していくが,肝動脈血流は異型結節から早期肝癌の...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

早期肝細胞癌治療の考え方
高山 忠利(日本大学消化器外科)
早期肝細胞癌(以下,肝癌)は腫瘍内に遺残する門脈域への間質浸潤を有し,肉眼的には小結節境界不明瞭型を呈し,その多くは画像上で乏血性腫瘤として描出される.ハイリスク群患者に対するスクリーニングの普及に加えEOB-MRIや造影超音波など診断技術の進歩により早期肝癌が診断される頻度も増加し,早期診断・治療による予後の改善が報告されている.その一方で早期肝癌治療による生命予後の延長はリードタイムバイアスを...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

早期肝細胞癌の画像診断の現状について
斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター)
【目的】EOB-MRIにより早期肝細胞癌(eHCC)の診断が可能となっているが,グレーゾーンもみられる.そこで,肝切除検体における早期肝細胞癌とその類似病変に関して検討を行った.【対象と方法】対象はEOB-MRIを施行後に切除し,早期肝細胞癌と病理組織学的に診断した41結節と画像診断上,早期肝細胞癌類似所見を呈した,5結節である.切除は主結節としては5結節,他は他部位に多血性肝細胞癌が存在した合併...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

EOB-MRIによる早期肝細胞癌診断の限界点―移植摘出肝を用いて―
日高 匡章(長崎大学移植・消化器外科)
【背景と目的】早期肝細胞癌(HCC)診断は,EOB-MRIの登場により正確な診断が可能となってきているが,EOB-MRIでも検出困難なHCCも存在する.今回,硬変肝におけるHCCに対するEOB-MRIの検出能と,EOB-MRIで検出できないHCCの特徴を明らかとする.
【対象と方法】2012年までに当科で施行した生体肝移植174例中,HCC70症例で術前MD-CT,EOB-MRIを撮影してい...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

EOB-MRIで乏血性腫瘍と診断された結節への造影超音波の役割
青木 智子(兵庫医科大学肝胆膵内科)
【目的】造影超音波検査(以下CEUS)で早期肝癌の診断は困難とされているが,CEUSは血行動態をreal timeに観察できる利点がある.CEUSを用いた早期診断の有用性と限界について検討した.【方法】2007/1~CEUSを施行し加療を行ったHCC372例(男242,平均年齢68.4歳),682結節(組織学的診断有:251結節)を対象とした.(1)EOB-MRI/dynamic CT/CEUSを...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

EOB-MRIとSonazoid造影USによる早期肝細胞癌の診断と治療選択
今井 康陽(市立池田病院消化器内科)
【目的】EOB-MRIとSonazoid造影US(CEUS)を用いた早期肝細胞癌の診断と治療時期について考察した.【方法】1)手術,肝生検で組織学的に診断したdysplastic nodule(DN)9結節,早期HCC37結節(乏血性高分化型HCCは早期HCCとした),古典的多血性HCC40結節(高分化型9,中低分化型31)においてEOB-MRI肝細胞相,CEUS Kupffer相(高MI照射にて...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

EOB-MRIおよびSonazoid造影超音波による早期肝細胞癌の治療適応判断~多血化リスクの高い肝細胞癌を早期に治療するために~
土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科)
【目的】早期肝細胞癌切除例でのsurvival benefitは1.3ヶ月と報告されている(J Hepatol, 2013).一方非多血性・肝細胞相低信号結節の多血化率は16-43%/年,多血化危険因子は拡散強調像(DWI)高信号・T2強調高信号・腫瘍径・脂肪化が挙げられている.今回早期肝細胞癌を含む非多血性結節の画像・病理学的所見を検討し治療適応を考察した.
【方法】2008年3月から20...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

Gd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相画像を軸とした非多血性肝細胞結節に対する治療戦略
坂本 梓(大阪赤十字病院消化器内科)
【背景】Gd-EOB-DTPA造影MRI(以下EOB-MRI)の出現により,肝癌診療において非多血性肝細胞結節が多く検出されるようになり,現在その診療指針が検討されている.今回我々は,EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈する非多血性肝細胞結節の組織像または自然経過の検討から治療戦略を考察した.【対象】2008年7月から2011年11月に施行されたEOB-MRIの肝細胞相で,周囲肝より低信号を呈し,そ...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

Gd-EOB-DTPA造影MRI低信号結節における動注CTの診断意義
荒井 邦明(金沢大学消化器内科)
【目的】Gd-EOB-DTPA造影剤を用いたMRI(EOB-MRI)は早期肝細胞癌を含む乏血性肝腫瘍の検出,診断にも有用とされる.但し乏血性とEOB-MRIで診断した結節の一部には,CT-HAなど他の画像診断にて多血成分が検出される場合もあり,この多血成分の検出は治療対象結節を決定する上で重要な所見のひとつになると考えられる.今回dynamic CT(CECT),EOB-MRI,動注CT(CT-H...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

肝がん既往のない慢性肝疾患患者におけるEOB-MRI肝細胞相で低信号となる乏血性結節の予後と多血化リスク
大岡 美彦(千葉大学医学部附属病院消化器内科)
【背景】EOB-MRIの登場により早期肝細胞癌の検出が可能となる一方,dysplastic noduleとの鑑別が問題となっている.生検診断は一つの答えだが,sampling errorや侵襲性があり,すべての結節に対し行うことは現実的ではない.【目的】EOB-MRI肝細胞相で低信号となる乏血性結節の予後と多血化リスクを肝がん既往のない慢性肝疾患患者において検討する.【方法】2008年3月から20...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

進行型肝細胞癌切除前のEOB-MRIで発見された乏血性早期肝細胞癌を進行肝細胞癌切除時に同時治療することは肝切除後の無再発生存率を向上させる
松田 政徳(山梨大学第一外科)
【はじめに】EOB-MRIの導入から5年以上を経過した現時点で,進行型肝細胞癌(pHCC)の術前検査で発見された乏血性早期HCC(eHCC)をpHCC切除時に同時治療することが術後成績に与える影響を明らかとすることを目的とした.【対象と方法】2008年のEOB-MRI導入後3年間のHCC治癒切除症例77例(施行例)と,それ以前の3年間の治癒切除例70例(非施行例)を対象とした.術前画像診断はEOB...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択

乏血性肝癌のラジオ波焼灼療法のタイミング
黒松 亮子(久留米大学医学部消化器内科)
【目的】背景肝病変を伴うこと,多中心性発癌をすることを考えると,乏血性の早期肝癌をすべて治療することが予後の改善につながるとは限らない.そこで,予後改善をみすえた乏血性肝癌のラジオ波焼灼療法のタイミングを検討した.【方法】2002/1-2012/12に経皮的ラジオ波焼灼療法(PRFA)が施行された501例のうち2cm以下3個以下,Child-Pugh A,Bの肝癌286例を対象とし,乏血癌の臨床的...

第100回日本消化器病学会総会早期肝臓癌画像診断の到達点と治療選択