セッション

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司会の言葉
 
 わが国では,公衆衛生や医療の進歩により健康度が著しく改善し,死因の第一位が感染症から生活習慣に起因する疾患へと変化して久しい.食習慣,運動習慣,休養,喫煙,飲酒等の生活習慣が,その発症・進行に関与する疾患には,日本人の3大死因である癌,脳血管疾患,心臓病が含まれる.「健康日本21」では,食生活,運動,タバコなどの項目について一次予防に重点を置き推進している.メタボリックシンドロームは,内臓脂肪型...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)発症においてBMIは最も有用な予測因子である
三宅 映己(愛媛大学先端病態制御内科学)
【背景】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肝硬変,肝癌だけでなく,糖尿病や虚血性心疾患発症の危険因子である.NAFLDを拾い上げ,早期から介入を行うことが望まれるが,一般診療の中でNAFLD発症を簡便に予測する方法は確立されていない.【目的】検診受診者を対象に,NAFLD発症に関与する因子を明らかにし,NAFLD発症の高危険因子群を同定することを目的とした.【方法】対象は6403名の検診受...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

生活習慣・メタボリックシンドロームからみたNAFLDと胆嚢疾患との関連
大洞 昭博(朝日大学村上記念病院消化器内科)
【目的】生活習慣やメタボリックシンドローム(MS)とNAFLDや胆嚢疾患との関連について検討した.【方法】2004~2010年に当院健診センターを受診し,ウイルス性肝炎等の慢性肝疾患や胆嚢摘出後症例を除外し,同意が得られた18540名,平均年齢46.3歳(男性10911名,女性7629名,男性平均47.2歳,女性平均45.1歳)を対象とした.生活習慣は健診受診時の問診を,身体所見や血液生化学検査所...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

非アルコール性脂肪性肝疾患からの糖尿病発症におけるインスリン動態の関与
荒瀬 康司(虎の門病院健康管理センター)
目的:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)からの糖尿病発症にインスリン動態が如何に関与するかにつき検討.
方法:対象はNAFLDと診断され,75gブドウ糖負荷試験(以下OGTT)にて非糖尿病であり,以後1年毎にOGTTを繰り返し行った605例.対象の内訳は年齢59.0±10.5歳,男性67%.OGTTでは,インスリン分泌指数として早期分泌指数(Insulino...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

最近の脂肪肝と糖尿病の増加について
今村 也寸志(鹿児島厚生連病院内科)
【目的】脂肪肝は生活習慣病の危険因子であることが指摘されている.今回の研究では脂肪肝と糖尿病の関連について,人間ドック受診者を対象として横断あるいは縦断的解析を行ったので報告する.【方法】1991年から2011年度の5年ごとの人間ドック受診者を対象とした.脂肪肝の診断は腹部超音波検査で行った.【結果】2011年度受診者では男性(6882名)の13.3%,女性(4271名)の6.1%に糖尿病が見られ...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

生活習慣病がNAFLD/NASHの発症・進展に与える影響について
島 俊英(大阪府済生会吹田病院消化器内科)
【目的】生活習慣病(MS)である糖尿病(DM),高血圧(HT),脂質異常症(HL),肥満の合併の有無が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症・進展や発癌に及ぼす影響について検討した.【対象および方法】2006-2011年に肝生検で診断したNAFLD444症例(男220例,年齢:51.6歳/女224例,61.8歳)を対象に,DM,HT,HL,肥満(BM...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

肝脂肪化およびメタボリック症候群関連因子に及ぼす飲酒習慣の影響
藤田 尚己(三重大学消化器内科学)
【目的】肥満人口の急激な増加に伴いメタボリック症候群(MetS)に代表される生活習慣関連疾患が注目されるに従い,NASHの疾患概念はもはや肝臓領域に留まらず,肝脂肪蓄積自体がinsulin抵抗性や動脈硬化進展を惹起すると考えられる様になった.以上の結果は,同様に肝脂肪化を呈するアルコール性肝疾患においても,MetSや動脈硬化に及ぼす飲酒の悪影響を危惧させるが,その詳細は不明である.【方法】[Stu...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

喫煙による肝細胞オートファジー抑制と細胞障害
山科 俊平(順天堂大学消化器内科)
【目的】生活習慣病の原因の一つである喫煙は,肝脂肪化,免疫細胞活性化,肝発癌に関与する可能性が報告されている.一方,蛋白代謝機構の一つであるオートファジーが変性蛋白や障害ミトコンドリア除去を介して細胞保護的に作用すること,慢性肝疾患や肝発癌発症にオートファジー機能障害が関与することが明らかとなってきた.今回,喫煙による肝細胞障害とオートファジー機能について検討を行った.【方法】C57BL6Jマウス...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

脂肪性肝障害における喫煙の影響
児玉 和久(東京女子医科大学)
脂肪性肝障害は,肥満や飲酒の生活習慣によって引き起こされる肝障害だが,これらの病態におよぼす喫煙の影響は未だ明らかではない.今回喫煙がこれらの肝障害の進行や肝内・肝外発癌におよぼす影響に関して検討した.(対象と方法)1.肝生検で診断したNAFLD493例に関して喫煙の有無で2群(無311例,喫煙有のうち現在も喫煙群94例,過去の喫煙79例)に分け,肝生検所見(fibrosis 0-4,activi...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

肥満患者における発癌についての検討
遠藤 美月(大分大学医学部総合内科学第一)
【目的】当科における肥満患者をretrospectiveに検討し,肝癌を含む悪性腫瘍の発症との関連について検討を行なった.【方法】対象は2000年から10年間に当科に入院したBMI30kg/m2以上の患者399人(男性192人,女性207人,平均年齢50.0±16.9歳 平均BMI35.0±7.8kg/m2).検討項目は,1.当科における肥満患者の背景お...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

アルコールが肝発癌に与える影響
青木 智子(兵庫医科大学内科肝胆膵科)
【目的・対象】多量飲酒者は肝硬変に進展しやすく,発癌する症例も知られている.2007年以降,当院で加療を受けたHCC374例中,NBNC肝癌は98例(25%)であり,うち飲酒量を詳細に知り得た90例を対象として,アルコールが肝発癌に与える影響を検討した.【方法】エタノール換算で1日80g以上飲酒していた症例を多量飲酒者(AL),20g以上80g未満の症例を少量飲酒者(sAL),20g未満の症例を飲...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

C型肝炎からの肝発癌および肝癌の予後における生活習慣の関与
大枝 敏(佐賀大学肝疾患医療支援学講座)
【目的】C型慢性肝疾患からの発癌時期や発癌後の予後について,生活習慣がどのように影響を与えているかは明らかではない.今回,生活習慣(飲酒・喫煙・糖尿病・肥満)が肝発癌年齢および発癌後の生存予後にどのような関連するかを検討した.
【方法】対象:1990~2011年に当科で治療したHCV抗体陽性の初発肝細胞癌857例のうち,有腹水症例と生活習慣因子の欠損例を除いた780例.男/女:542/238...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

生活習慣からみた胆管癌の危険因子の検討
細野 邦広(横浜市立大学内視鏡センター)
【目的】近年,生活習慣と消化器疾患の関連が注目されているが,胆管癌についてはその詳細な検討は未だ途上にある.胆管癌の危険因子として,原発性硬化性胆管炎,膵・胆管合流異常,胆嚢結石,胆嚢腺筋腫症などや,特定の化学物質が関与している可能性も報告されている.今回,高血圧や糖尿病,肥満などの生活習慣関連因子に注目し,胆管癌の危険因子を検討した.【方法】2009年9月から2012年8月の間に当院において胆管...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

クエン酸モサプリド服用は食後血清GLP-1およびインスリン濃度を上昇させる
丸岡 大介(千葉大学消化器・腎臓内科学)
【目的】クエン酸モサプリドは本邦で広く用いられてきた消化管運動機能改善剤であり,大規模無作為で機能性胃腸症に対する有効性が判明して以降(Hongo M et al. J Gastroenterol Hepatol 2012),その重要性が再認識されている.また本剤は生活習慣病の一つとされる2型糖尿病に高頻度で合併する便通障害における有効性も明らかとなっているほか(Ueno N et al. Dia...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

抗糖尿病薬メトフォルミンの肝癌細胞抑制メカニズム
三好 久昭(香川大学医学部消化器・神経内科)
(背景)糖尿病患者が急激に増加する中,肝細胞癌の発生と進展の阻止を目的とした抗糖尿病薬の選択が今後重要となってくる.そこでメトフォルミンの肝癌細胞に関する抑制効果をin vitro,in vivoで証明し,その抑制メカニズムを1細胞周期2増殖因子レセプター3アポトーシス4血管新生分子5microRNAの観点から検討した.(方法)in vitroの系:種々の肝癌細胞株でメトフォルミン投与による細胞周...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆

本邦における腹腔鏡下胃袖状切除術のメタボリックサージェリーとしての可能性
山本 寛(滋賀医科大学外科学)
2010年1月,病的肥満症に対する腹腔鏡下胃袖状切除術(Laparoscopic Sleeve gatsrectomy;LSG)は,先進医療に承認され,当院でも2011年から先進医療としてスタートしている.LSGは日本人の病的肥満症に対する減量手術の一つとして,現在最も期待されている術式の一つであり,実際最も多く行われている手術である.一方,本手術は,近年,糖尿病を手術で治すいわゆるメタボリックサ...

第99回日本消化器病学会総会生活習慣と消化器疾患:肝・胆