セッション

検索結果は13件です。

司会の言葉
 
 食事・生活習慣の欧米化,ピロリ菌感染の減少,肥満の増加などを背景として,我が国でも急速に胃食道逆流症(GERD)が増加している.これらGERD患者の治療には専らプロトンポンプ阻害剤(PPI)が用いられ,その優れた効果が報告されている.また一方ではPPIによる治療にもかかわらず,逆流症状が残存する患者が少なからず存在することも知られている.しかしながら,我が国ではこれら「PPI抵抗性胃食道逆流症」...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

QOL低下を指標としたPPI治療抵抗性GERDの検討
古畑 司(虎の門病院消化器内科)
背景と目的:GERDの治療目標は,胸やけを主体とする自覚症状の除去とQOLの改善,粘膜傷害の治癒と合併症の防止である.欧米の研究ではPPI治療にも関わらず週1日以上のGERD症状が残存するとQOLが悪化するとされている.本研究の目的は,QOL低下を指標としたPPI治療抵抗性GERDの本邦における実態を明らかにすることである.対象と方法:PPI治療を行っているGERD患者を対象に,GERD Q・SF...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

胃食道逆流症におけるPPI治療抵抗性規定因子の検討
芥川 加代(佐賀大学医学部附属病院光学医療診療部)
【目的】胃食道逆流症(GERD)の治療の第一選択はPPIである.今回はGERDにおけるPPI治療抵抗性と再発に関連する因子について3つの多施設共同研究の結果をもとに検討した.【方法】1)治療抵抗性を検討する目的でGERD患者193名にPPI(ラベプラゾール10mg/日)を投与し症状の改善を4週後Fスケールも用いて検討した.2)191名のびらん性GERD患者に対してPPI維持療法を行い1年後2年後に...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

当科におけるPPI抵抗性胃食道逆流症の最終診断
栗林 志行(群馬大学附属病院消化器内科)
[目的]PPI治療にも関わらず症状が持続する患者の検討を行った.[方法]対象は他院でのPPI治療にもかかわらず症状が持続し当科へ紹介,または自ら当科を受診した患者,及び当科でのPPI治療にも関わらず「胸やけ」や「咽頭部違和感」が持続する全35例である.全例に上部消化管内視鏡検査が再施行され,好酸球性胃腸炎(食道炎)の診断目的に食道~十二指腸の生検を可能な限り行った.FSSG問診票にて症状が残存する...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

咽喉頭異常感を合併したPPI抵抗性GERDの臨床像と病態
眞部 紀明(川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波))
【背景】咽喉頭異常感を合併した胃食道逆流症(GERD)患者に対するプロトンポンプ阻害薬(PPI)の奏功率は低く,その病態には酸以外の関与も推察されているが,不明な点も多い.【目的】咽喉頭異常感を合併したGERD患者のPPIの奏功率を多数例で検討し,PPI抵抗例の食道運動機能の特徴をHigh resolution manometry(HRM)を用いて明らかにする.【対象および方法】2007年9月から...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

日本人のPPI不応性NERD患者の病態解析(酸分泌動態を中心に)
舟木 康(愛知医科大学消化器内科)
【目的】24時間食道内pH・インピーダンスモニタリング(24pH・MMI)により,従来のpHモニター検査において食道内pH<4時間比率が4%以上を示す異常酸逆流以外にも,弱酸(pH4~7)や非酸逆流(pH>7)が症状発現に関与していることが明らかとなった.そこで,酸以外の逆流が症状発現に重要であると考えられる,PPI不応性NERD患者を食道内pH<4時間比率(HT)が4%以上の異常酸逆流(異常群)...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

PPI抵抗性NERD患者の病態に基づく治療戦略
岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科)
【目的】PPI倍量抵抗性NERD患者の原因を検索し,その結果に基づく治療および治療成績を明らかにする.【方法】対象はPPI倍量抵抗性NERD患者35例である.PPI倍量抵抗性NERDと診断後,好酸球性食道炎(EoE)の存在を確認するため内視鏡検査を行い,食道体部より生検を行った.内視鏡検査において異常がみられない場合には食道内圧検査を施行し,一次性食道運動障害の存在を確認した.食道運動異常症がみら...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

多チャンネル食道インピーダンス-pHモニタリングを用いたPPI抵抗性NERDの病態分類とbaseline impedanceの関連
木幡 幸恵(大阪市立大学消化器内科学)
【目的】NERD症例ではPPI抵抗性を示す患者が約50%存在し,その病態として不充分な酸分泌抑制,酸以外の逆流等の関与が報告されている.baseline impedanceは食道壁の固有の電気的伝導であり,GERD患者では正常人に比べて低値であることが報告させている.そこで今回われわれは,PPI抵抗性NERDのMII-pHモニタリングを用いた病態分類とbaseline impedanceの関連を検...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

24時間食道pH-多チャンネルインピーダンスモニタリングを用いたPPI抵抗性NERD患者の病態に関する検討
中川 健一郎(東北大学消化器内科)
【目的】日本人のPPI抵抗性NERD患者における症状と関わる液体および気体逆流の因子を明らかにすること.【方法】典型的GERD症状を有し,PPI倍量(rabeprazole 10mg 1日2回)投与でも症状の改善しないNERD患者14例(男:女=7:7,平均62.0歳)を対象とし,PPI倍量投与下に24時間食道pH-多チャンネルインピーダンスモニタリングを行った.胃酸や胃酸以外の液体逆流,気体逆流...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

Symptom Index(SI)陽性PPI抵抗性NERDに対するニザチジン併用の有用性
山下 博司(大阪府済生会中津病院消化器内科)
【目的】NERDにおける常用量PPIの有効率は約50%に留まる.さらに常用量PPI治療抵抗例に倍量投与を行っても有効率は約50%である.すなわちNERDでは倍量PPI投与でも症状の改善が得られない患者が多く存在する.逆流と症状の相関がある場合(SI陽性),逆流自体を抑制することは有効である.NERDでの逆流は一過性LES弛緩(transient lower esophageal sphincter...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

PPI抵抗性NERDの病態と六君子湯による治療効果
尾高 健夫(千葉大学光学医療診療部)
【目的】NERD症例の食道・LES機能と自覚症状を検討し,PPI-Refractory NERDとPPI-Effective NERDの病態の差異を明らかにすること.また,NERD症例に対する六君子湯の効果を明らかにすること.
【方法】NERD 46例の食道・LES機能と自覚症状を評価.また,研究参加同意を得られた28例で六君子湯の効果を評価.
全ての消化器薬を1週間以上休薬とし,食道...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

PPI抵抗性NERDに対する腹腔鏡下逆流防止手術の治療成績
小村 伸朗(東京慈恵会医科大学外科学講座消化管外科)
【背景】NERDではerosive GERDと比較してPPIの効果が乏しく,その病態は多様である.またGERDに対する外科治療数は本邦では少なく,とくにNERDの手術例は少数であり,治療成績に対する検討は不十分である.【目的】PPI抵抗性NERDに対する腹腔鏡下逆流防止手術の治療成績を検討した.【対象と方法】2000年1月より2012年8月までにPPI抵抗性NERD 74例(女性39例,平均年齢5...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略

PPI抵抗性GERDに対する内視鏡治療―ESDを応用した噴門形成術の成績
時岡 聡(大阪医科大学第二内科)
【目的】食道・胃逆流症(GERD)の治療の第一選択は薬物治療であるが,半永久的に内服が必要な疾患である.そこで内視鏡によるendoluminal surgeryでGERDを治療しようと試み,数種類の治療法が開発され臨床応用されてきている.当科ではEndoluminal gastroplication(ELGP法)を16例に行い良好な成績であった.しかし,これらの内視鏡治療は欧米の考え方に左右され,...

第99回日本消化器病学会総会PPI抵抗性胃食道逆流症の現状と治療戦略