セッション

検索結果は14件です。

司会の言葉
田中 正俊(弘恵会ヨコクラ病院内科)
 進行肝細胞癌の病態には様々な要因(癌の進行度,肝予備能,合併症)が関わり,治療選択は病態に応じ,その予後も様々です.しかし,いかに進行肝細胞癌といえども,患者さんの希望はただ一つ,治癒と長生きにほかなりません.このPDでは,今,患者さんの希望に答えることのできるベストシナリオを治療に関わる全領域の専門医によって,討議したいと思います.そこで検討対象を肝予備能良好,合併症無しの患者さんにしぼって,...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

進行肝癌に対するPIHPを基軸とした治療戦略:2段階治療と3段階治療
福本 巧(神戸大学肝胆膵外科)
(目的)我々は両葉多発で既存の方法では治療困難な進行肝癌に対して経皮的肝灌流化学療法(PIHP)を開発した.さらにその治療効果増強策として減量肝切除とPIHPによる2段階治療を考案・実施している.また肝静脈や下大静脈への浸潤・圧排による減量肝切除困難・不能例に対してはPIHPにより主腫瘍の縮小(ダウンステージ)後に減量肝切除を施行し,残肝病変に対するPIHPを追加する3段階療法を実施している.近年...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

肝動注化学療法によるdownstaging後の肝切除が可能となる脈管侵襲を有する切除不能肝細胞癌の検討
永松 洋明(公立八女総合病院肝臓内科)
【目的】当院では進行肝細胞癌に対してdownstaging後肝切除を目標に,肝動注化学療法(HAIC)を中心とした治療を行っている.当院におけるHAICの治療成績をretrospectiveに検討した.【対象】2003年6月から2013年7月の期間,当院にてリザーバーを用いたHAICを行った切除不能HCC 223例のうち,Child Pugh C症例を除いたStage IV-Aの128例(Chil...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

肝予備能良好な切除不能進行肝細胞癌の内科的治療戦略―各Stage,病態におけるNew FP,Low dose FP,Sorafenibの使い分け―
田尻 博敬(九州がんセンター消化器肝胆膵内科)
【目的】今回我々は,肝予備能良好(Child-pugh grade Aに限定),合併症無しの切除不能進行肝細胞癌への内科的治療戦略について,各Stage,病態においてどの治療方法が有効であるかを明らかにするために検討を行った.【方法】対象は肝予備能良好(Child-pugh grade A),合併症無しの切除不能進行肝細胞癌153例(Stage III 36例,IVa ...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

切除不能多発肝細胞癌に対する初回TACE後の治療選択
安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科)
【目的】肝予備能良好,脈管浸潤なしの切除不能多発肝細胞癌(HCC)における治療の第一選択はTACEであるが,再発後の治療選択は複数存在する.多発HCCに対するTACE導入後の治療選択により,予後の延長が得られるかどうかについて検討を行った.【方法】当院にてTACEを施行した1044例のうち,初回TACE時に多発・Child Aであった382例について,その後の治療選択と予後について検討を行った.【...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

Vp3/4門脈腫瘍栓合併進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法と門脈腫瘍栓への放射線併用療法
相方 浩(広島大学病院消化器代謝内科)
【目的】Vp3/4門脈腫瘍栓(PVTT)合併肝細胞癌(肝癌)に対する肝動注化学療法(HAIC)におけるPVTTへの放射線療法(RT)併用の臨床的意義について検討する.【対象と方法】対象は,2013年3月までにHAICを施行した肝癌325例のうち,Vp3/4,肝外転移無し,Child Pugh score7点以下,PS0/1,経過中ソラフェニブ治療歴なしの基準を満たす83例.Vp3/4:47/36例...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

進行肝細胞癌に対するIFN併用5-FU肝動注化学療法を中心とした集学的治療に関する検討
山下 竜也(金沢大学消化器内科)
【目的】当科で2003年より進行肝細胞癌に対して行ってきたIFN併用5-FU肝動注化学療法を中心とした集学的治療について検討した.【対象】対象は2003年から2012年まで当科にてIFN併用5-FU持続肝動注化学療法にて加療した肝内進行肝細胞癌症例311例.治療法は5-FUを5日間持続動注し(day1-5,day8-12),IFNα-2bまたはPEG-IFNα-2bを4週間継続した.CDDPはda...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

Vp3/4を有する肝癌に対する治療戦略
森口 理久(京都府立医科大学消化器内科)
【目的】脈管侵襲陽性肝癌(HCC)に対するSorafenib(So)の生存期間中央値(MST)は8.1カ月と報告され(SHARP subanalysis),一方我々は,Vp3/4を有する(Vp3/4-)HCCに対するリザーバー肝動注化学療法(RV)のMST;16.4カ月,奏効率;36.7%と報告している(2011年JDDW).現在,C-P AでVp3/4-HCCに対しては双方の説明を行い,患者選択...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

“治癒と長生き”を目指す門脈腫瘍浸潤症例に対する動注化学療法
小尾 俊太郎(杏雲堂病院消化器・肝臓内科)
【はじめに】動注化学療法は,Evidence levelも低く,煩雑な治療のため,標準的治療とはなり得ない.しかし切除不能進行肝細胞癌,特に門脈腫瘍浸潤症例に対して,“治癒と長生き”を目指せる唯一の治療法と思われる.
【目的】切除不能進行肝細胞癌,ことに門脈腫瘍浸潤症例における動注化学療法の成績をレトロスペクティブに解析して,どのような症例が“治癒と長生き”できるのか検討した.さらにPart...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

Child A/B進行肝細胞癌に対する肝移植の意義
海道 利実(京都大学肝胆膵移植外科学)
【目的】肝細胞癌(以下肝癌)診療ガイドラインでは,肝移植の適応は肝障害度Cのミラノ基準内肝癌である.しかし実臨床では,肝予備能が良好な肝障害度A/Bの進行肝癌に対しても,種々の治療にて制御不能となれば肝移植が施行されている.そこで,肝障害度A/B(Child A/Bで代用)進行肝癌に対する肝移植の意義を検討した.
【方法】対象は,当科にて2012年8月までに肝癌に対し肝移植を施行した203例...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

高度進行肝細胞癌に対するconversion治療の解析と術後高度進行再発に対する治療開発
田中 真二(東京医科歯科大学肝胆膵外科)
【目的】高度進行肝癌に対するconversion治療と切除後の高度進行再発を解析した.【方法】当科の肝癌切除例から,初回診断時には高度進行による切除不能であり化学療法等によって治癒切除が可能となったconversion治療例を解析した.さらに術後高度進行再発を来した症例のゲノム及びトランスクリプトーム解析を行ない,治療標的分子を解明した.【結果】肝癌conversion例の術前療法として,肝動注化...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

当科での進行肝細胞癌に対するソラフェニブを中心とした集学的治療
海堀 昌樹(関西医科大学外科)
【背景・目的】進行肝細胞癌に対する積極的な切除により予後が期待できるが,術後再発率は依然と高く,再発後の予後は不良である.今回当科での長期予後を目指した進行再発肝細胞癌に対するSorafenibを中心とした集学的治療につき報告する.【方法】当科での進行肝細胞癌に対するSorafenib投与症例全124例の検討,高度脈管浸潤・両葉多発症例に対するSorafenib+CDDP分割肝動注併用療法(UMI...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

切除不能の大型進行肝細胞癌に対するダウンステージング後切除
奥田 康司(久留米大学外科学)
大型多発や大血管侵襲を伴う進行肝細胞癌(肝癌)は切除不能例が多く,治療成績も不良で治療法に関するコンセンサスは得られていない.欧米ではソラフェニブが標準治療となっているが,本邦においては動注療法や切除など,各施設の判断で行っているのが現状である.当施設では,根治切除不能肝癌に対してTACE/HAIを行い奏功した例に対して積極的に切除(ダウンステージング後切除;DS-Hx)を行ってきた.第7版UIC...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択

肝切除を主軸とした肝癌集学的治療戦略
波多野 悦朗(京都大学肝胆膵・移植外科)
【背景】肝切除以外の治療を選択する場合の条件は,1 肝切除耐術不能もしくは 2 適応外の高度進行例である.相対的な適応として 3 肝切除と同等以上の予後が期待できる治療であること 4 肝切除を施行しても予後不良が予想される場合である.脈管侵襲を伴う肝細胞癌(HCC)において,肝癌治療アルゴリズムでは「Vp3-4では肝動注もしくはsorafen...

第100回日本消化器病学会総会進行肝細胞癌の治療選択