セッション

検索結果は11件です。

不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸による肝細胞死を抑制する 
赤澤 祐子(長崎大学病院消化器内科)
血清中の遊離脂肪酸濃度上昇と肝細胞アポトーシスはNASHの特徴である。パルミチン酸やステアリン酸に代表される飽和脂肪酸は、小胞体(ER)ストレス誘導し、ミトコンドリア上のBax活性化を介して肝細胞にアポトーシスを引き起こす。一方、オレイン酸やパルミトレイン酸などの不飽和飽和脂肪酸は細胞保護作用があることが知られているが、その詳細なメカニズムについては知られていない部分が多い。我々は飽和脂肪酸による...

第100回九州支部例会

肝細胞癌切除後の新しい再発・生存規定因子としての骨格筋量減少症(サルコペニア)の意義
播本 憲史(九州大学大学院消化器・総合外科)
【はじめに】近年、骨格筋量の減少(sarcopenia)は新たな生活習慣の病態として注目を集め、各種癌の予後不良因子という報告があるが肝細胞癌(HCC)に関する報告はない。IGF-1は肝臓で産生されると共に骨格筋量の規定因子として報告されている。【目的】HCC切除例におけるsarcopeniaの予後因子としての意義を明らかにする。【対象】肝細胞癌切除186例(2004.1~2009.12)。【方法...

第100回九州支部例会

慢性膵炎患者の生活習慣に対する意識調査および指導方法に関する検討
肱岡 真之(九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学)
慢性膵炎は難治性膵疾患であり、日常生活における嗜好(飲酒、喫煙)、食事(脂質、香辛料)などの生活習慣がその病態に悪影響を及ぼす。最も効果のある慢性膵炎治療法は断酒であり、また禁煙も慢性膵炎の進行を抑制することが明らかになっている。臨床の現場では、膵疾患専門医のみならず、すべての消化器専門医が慢性膵炎患者の診療にあたり、飲酒や喫煙が害悪であることを理解しつつも、その指導方法はこれまで明確に体系化、明...

第100回九州支部例会

C型慢性肝炎の組織像におよぼす生活習慣病の影響について~modified N scoreを用いた線維化の予測~
加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科)
【背景と目的】我々は以前、NAFLDにおいて線維化進展を来す危険因子が2型糖尿病、高血圧であることを報告し、有意な線維化危険因子(女性、高齢者(60歳以上)、2型糖尿病の有無、高血圧の有無)の総和(N score)による高度線維化の予測の有用性について報告した(Liver Int 2008;28:519-24)。C型慢性肝炎では肝の脂肪化を来す症例が多く、疾患の進行や肝細胞癌発症にも影響するとされ...

第100回九州支部例会

切除不能進行膵癌の集学的治療における膵内外分泌機能障害(膵性糖尿病、消化吸収障害)の管理の重要性
河邉 顕(国立病院機構 九州医療センター 消化器内科・臨床研究センター)
【目的】切除不能進行膵癌に対する集学的治療における膵内外分泌補充療法の有効性について検討した。【方法】2009年から2011年に当科で治療した切除不能進行膵癌47例(平均年齢69.1歳、男女比21:26、IVa11例、IVb36例)について、一次・二次治療成績をretrospectiveに解析した。さらに、糖尿病の有無、糖尿病治療法、膵酵素消化剤投与の有無についても同様に解析した。【結果】全47症...

第100回九州支部例会

非B 非C肝癌に関連する生活習慣病の検討
山田 慎吾(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門)
【目的】非B非C肝癌は、近年増加傾向にあるだけでなく進行した状態で発見されるため予後不良となることが少なくない。その発症に脂肪性肝障害などの生活習慣病が関与しているが、早期発見のためにさらなる危険因子の同定が必要である。本研究の目的は、非B非C肝癌の新たな危険因子を同定することである。【方法】1995年から2010年までに当院で肝癌と診断され、HBs抗原陰性かつHCV抗体陰性の224名を非B非C肝...

第100回九州支部例会

C型慢性肝炎に対するIFN治療効果にはインスリン抵抗性、内臓脂肪蓄積および骨格筋脂肪化が関連する
井手 康史(佐賀大学 肝臓・糖尿病・内分泌内科)
【目的】C型慢性肝炎(CHC)に対するPeg-IFN+RBV治療において、インスリン抵抗性や肝脂肪化がその治療効果に影響することが指摘されている。また、インスリンの主要な標的臓器の一つである骨格筋の脂肪化もインスリン抵抗性に影響することが知られている。CHCに対するPeg-IFN+RBV治療効果に対するインスリン抵抗性と内臓脂肪、皮下脂肪、骨格筋脂肪化などの影響を検討した。
【方法】対象:2...

第100回九州支部例会

生活習慣病の疾病管理における肝機能の「within normal limit」を検証する
田中 賢一(医療法人ロコメディカル江口病院, 広島大学消化器・代謝内科)
【背景・目的】生活習慣病の病態に肝は密接に関与する。生活習慣病を肝疾患の視点から囲い込むためには、生活習慣を背景としたNAFLDやアルコール性肝障害を考慮したALT正常値・目標値の理解が不可欠である。【対象・方法】多施設共同研究。HBs-Ag陰性、HCV-Ab陰性の健診受診11404名(年齢18-87歳,平均49.9歳,男性/女性; 6894/4510名)を対象とし、重回帰分析でALTに関与する生...

第100回九州支部例会

鹿児島県における糖尿病と脂肪肝発生頻度のこの20年間の推移
今村 也寸志(鹿児島厚生連病院)
【目的】糖尿病の増加は現代日本の重大な社会問題である。今回の研究では、糖尿病とその危険因子である肥満、脂質異常、高血糖、脂肪肝の鹿児島県における発生頻度について、ここ20年間の変化を比較・検討した。【方法】1991年から2011年までの5年ごとの人間ドック受診者を対象とした。糖尿病は空腹時血糖126 mg/dl以上とした。脂肪肝の診断は腹部超音波検査で行った。【結果】1991年から5年ごとの肥満の...

第100回九州支部例会

膵癌切除後の経過における生活習慣関連疾患の影響についての検討
金光 秀一(産業医科大学第1外科学)
【はじめに】膵癌のリスク因子に肥満や糖尿病が報告されているが、生活習慣関連疾患と膵癌切除後の経過における関連についての報告が少ない。【対象・方法】1983年4月から2011年3月の間に外科切除を試みた膵癌99例について膵癌取扱い規約(第6版)に則り臨床病理学的因子を評価するとともに、術前の生活習慣関連疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症)の治療の有無による無再発生存期間の比較検討をLog-rank te...

第100回九州支部例会

肥満症管理における肝消化器病専門医の位置付け
西村 順子(大分大学医学部付属病院総合内科学第1)
【目的】肥満は動脈硬化、高血圧、高脂血症、脂肪肝、糖尿病の発症に関与し、脳血管障害、虚血性心疾患、悪性疾患の大きな危険因子となりうる。肥満患者の追跡調査を行い、生活習慣病を合併した高度肥満に対して、肝・消化器病の専門医がどのように向き合っていけばいいかを考察した。【対象と方法】2000年から10年間に当科に入院したBMI30kg/m2以上の患者403人のうち現在もfollow...

第100回九州支部例会