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司会の言葉
 
 炎症性腸疾患(IBD)は潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に大別される.近年IBDに対する内科的治療が進歩し,栄養療法,免疫調節薬,5-ASA製剤大量療法,白血球除去療法に加え生物学的製剤が有力な治療手段となった.また,腸管狭窄に対する拡張術も選択肢に加わった.その結果,重症例であっても短期的には手術回避可能な症例数が増加し,UCとCDにおける内科の治療限界と手術適応も変化している.しかし...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

難治性潰瘍性大腸炎に対するinfliximabおよびtacrolimusによる治療成績の検討
松岡 克善(慶應義塾大学消化器内科)
【背景・目的】潰瘍性大腸炎難治例に対してinfliximab(IFX)とtacrolimus(Tac)が,近年相次いで保険適用になった.今回の検討では,(1)IFXとTacの治療成績,および(2)IFXとTacの移行例における経過を解析することによって,両薬剤の位置づけや手術適応の時期を明らかとすることを目的とした.【方法】対象は,2009年7月から2012年8月までに当院でIFX・Tacの投与を...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

重症難治性潰瘍性大腸炎に対する内科的治療戦略の有用性と限界の検討
吉村 直樹(社会保険中央総合病院内科)
【目的】シクロスポリン(CsA)持続静注療法の導入により重症難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する手術回避率は向上したが,タクロリムス(FK506),インフリキシマブ(IFX)の適用拡大により内科治療の選択肢が増え,手術回避率の向上が期待される.今回,初期治療としてCsA,FK506,IFXを導入した重症・劇症UCの治療成績を検証し内科治療の限界について検討した.【方法】IFXが保険適用になった201...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

Infliximab長期治療成績からみた潰瘍性大腸炎に対する治療戦略
―長期寛解維持および手術回避に向けたInfliximab治療の工夫―
山田 聡(京都大学消化器内科)
【目的】本邦において,活動性潰瘍性大腸炎(UC)に対するInfliximab(IFX)治療の有効性は報告されている.しかしながら,1次無効および2次無効例への対応や,手術回避効果を含めた長期の治療成績については未だ明らかとなってはいない.今回我々は,当院のUC患者に対するIFX治療導入後の治療経過をretrospectiveに検討し,難治性UCに対するIFX治療における問題点と今後の治療戦略につい...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

難治性潰瘍性大腸炎における手術回避因子の検討
伴 宏充(滋賀医科大学消化器内科)
【目的】難治性潰瘍性大腸炎に対する寛解導入療法にcalcineurin inhibitors(CNIs:シクロスポリン,タクロリムス)を投与する機会が増えているが,治療抵抗性や再燃により手術回避が困難な症例にしばしば遭遇する.我々は寛解導入療法にCNIsを投与した症例を対象に,手術回避因子について検討を行った.【方法】2000年1月以降,中等症から重症の難治性潰瘍性大腸炎に対する寛解導入療法でCN...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎(UC)入院例における手術症例の背景因子と術後予後の検討
齊藤 詠子(東京医科歯科大学消化器内科)
【目的】入院を要する難治性UCにおいて適切な内科治療の選択と手術症例の術後合併症に寄与する因子を明らかにする.【方法】2010年4月~2012年3月まで当院にて入院加療を要したUC67例(男性41例,女性26例)を対象に,(1)rescue therapyとしてのタクロリムス/サイクロスポリン(Tac/CyA)及びインフリキシマブ(IFX)に関係する背景因子の比較,(2)手術及び非手術症例に関して...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎の内科治療戦略の変化は外科治療に影響を与えたか?
高橋 賢一(東北労災病院大腸肛門病センター)
【背景】2009年7月にタクロリムス(TAC)が,2010年6月にインフリキシマブ(IFX)が適応承認され,潰瘍性大腸炎(UC)の内科治療戦略は大きく変化した.これらの薬剤は病勢コントロールに高い有効性を示す一方で免疫機能を抑えるため,外科治療とその成績に影響を与える可能性がある.【対象と方法】2007年から2012年までに大腸全摘術を行った大腸癌合併例を除くUC症例を対象とした.TACとIFXの...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎に対する内科的治療と手術適応の変遷
池内 浩基(兵庫医科大学炎症性腸疾患センター)
(目的)潰瘍性大腸炎(以下UC)の内科的治療はタクロリムス,intensive CAP療法やinfliximabの保険適応によりここ5年間で大きな変遷を示している.そこで,UC手術症例の術前の臨床的背景,手術適応,手術数にこれらの治療が保険適応となる前後で変化がみられるかどうかを検討した.(対象と方法)2011年12月までに当科で手術を行った1350例を2006年以前の手術症例907例(前期群)と...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎術後回腸嚢炎に対する抗生剤反応性予測因子の検討
荒木 俊光(三重大学消化管・小児外科学)
【背景】潰瘍性大腸炎術後の回腸嚢炎の一部には,治療依存性あるいは抵抗性を示す症例が存在する.【目的】回腸嚢炎基本治療のシプロフロキサシン(以下CPFX)投与後の経過を追跡し,CPFX抵抗性を示した症例の特徴と,その発生予測因子を明らかにすることを目的とした.【方法】当施設で大腸全摘回腸嚢肛門吻合術が施行された潰瘍性大腸炎患者213例中,modified pouchitis disease acti...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎におけるQOL改善を目的とした手術適応の検討
小川 仁(東北大学生体調節外科)
【目的】近年,潰瘍性大腸炎に対する内科的治療が進歩し,これらの治療法の優劣に関して「手術回避率」などの指標が用いられている.しかし潰瘍性大腸炎治療の目的は,内科的治療か外科的治療かの手段を問わず,まず第一に救命,次いでQuality of Lifeの改善と維持にある.本研究では,術後のQOLを調査することにより「QOLの改善を目的とした潰瘍性大腸炎の手術適応」について検討した.【方法】潰瘍性大腸炎...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

潰瘍性大腸炎に対する外科手術と術後サーベイランス
日吉 雅也(東京大学腫瘍外科学)
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に対する術式として,回腸嚢肛門(管)吻合術(IPAA)が標準術式となっているが,以前は回腸直腸吻合術(IRA)もよく行われていた.今回,当科のUCに対する手術適応・術式の推移および術後のサーベイランスについて検討した.【対象と方法】1963年から2012年9月までに東京大学腫瘍外科にて手術を行ったUC症例148例について,前期(1999年以前)91例と後期(2000年以...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

抗TNF-α抗体製剤が著効するクローン病患者の特徴
石田 哲也(大分赤十字病院消化器内科)
目的:抗TNF-α抗体製剤の登場によりクローン病治療は大きく様変わりし,その登場以前に比して患者のQOLは大幅に向上したがクローン病の長期予後,自然史を変えるためには,抗TNF-α抗体製剤の薬効を最高に引き出すことが必要である.そこで当科において抗TNF-α抗体製剤投与を投与したクローン病患者のうち経過良好症例の条件を検討したので報告する.方法:対象は2002年より2012年6月まで当科で抗TNF...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

クローン病患者における生物学的製剤の初回および再手術率に及ぼす影響
沼田 政嗣(鹿児島大学消化器内科)
【背景】2002年にクローン病に対して生物学的製剤が導入され,内科治療が困難であった症例に対しても高い治療効果が得られるようになったが,生物学的製剤導入がクローン病に対する外科治療を減少させたか否かは明らかでない.今回我々は長期観察可能であったクローン病患者において,初回及び再手術の実施率に及ぼす生物学的製剤導入の影響を検討した.【対象と方法】1980年1月から2007年12月までに当科及び関連病...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

Infiximab投与は初回手術までの期間を延長し腸管の短縮を軽減する
藤谷 幹浩(旭川医科大学消化器血液腫瘍制御内科学)
【目的】生物学的製剤はクローン病の寛解導入や維持に有用であることが証明されている.しかし,発症早期からの投与を検証した報告はほとんど無く,その有効性は不明である.本研究では,Infiximab投与が初回手術までの期間の延長や腸管長の短縮予防に有用であるか否かについて明らかにする.【方法】当科で診療したクローン病104例の診療録をもとに,累積手術率および術中の小腸長を調べ,患者背景や治療との関連性に...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

小腸閉塞をきたしたクローン病の内科的・外科的治療の背景因子の比較および内視鏡的バルーン拡張術の予後
山田 弘志(名古屋大学大学院医学研究科消化器内科学)
【目的】小腸閉塞をきたしたクローン病(CD)に対して内科的治療が奏効するか外科手術が必要かを決定する背景因子,およびダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)下バルーン拡張術(EBD)の奏効に寄与する背景因子・予後を検討する.【対象・方法】2003年6月~2011年8月に腸閉塞を契機にDBEを施行したCDの45例.内科的治療奏功群と外科手術群に分け,各種背景因子を多変量解析で比較した.また,CDの小腸狭窄...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

抗TNFα抗体製剤使用クローン病症例の手術適応
小金井 一隆(横浜市立市民病院外科)
クローン病(以下,CD)で抗TNFα抗体製剤治療薬使用中に手術を要する症例の手術適応を検討した.【対象】CD手術例中術前に抗TNFα抗体製剤を3回以上使用した98例(男66例,女32例)で,CD発症時年齢平均23歳,手術時平均35歳であった.【方法】抗TNFα抗体製剤の適応となった病態と手術時の病態を検討した.【結果】抗TNFα抗体製剤の適応となった病態は,のべ症例数で,活動性病変44例,狭窄19...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

抗TNF-α抗体製剤登場によるクローン病初回手術率の変化
山下 真幸(札幌厚生病院IBDセンター)
【目的】クローン病(CD)は,診断から10年でおよそ50%の患者が初回手術を経験するとされてきたが,抗TNF-α抗体製剤登場後の手術率が検討された報告は少なく,infliximab(IFX)/adalimumab(ADA)がCDの自然史改善に寄与したか否かは明らかにされていない.今回我々は,抗TNF-α抗体製剤承認の前後10年間に診断されたCDを対象に,IFX/ADAがCD初回手術に及ぼした影響を...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点

生物学的製剤によりクローン病の初回手術率は低下した
矢野 豊(福岡大学筑紫病院消化器内科・IBDセンター)
【背景・目的】クローン病(以下CD)の治療はinfliximabやadalimumab等の生物学的製剤の登場により治療体系が大きく変遷しており,特に生物学的製剤が寛解導入・維持に効果を上げている.しかし,長期的にみるとCDに対する手術が減少したか否か明らかでない.CDの長期経過例における時代別の背景因子と累積初回手術率を検討する.【対象・方法】当科で最近20年間にCDと診断された初診時未手術例42...

第99回日本消化器病学会総会炎症性腸疾患の内科的治療戦略と外科との接点