セッション

検索結果は6件です。

次世代食道癌診療における外科治療の展望
土岐 祐一郎(大阪大・消化器外科)
食道癌治療における最近10年のキーワードは,術前化学療法,胸腔鏡手術,ESD, PET,NBIなどであった.これらを踏まえて次の10年を予測してみたい.1. 腹臥位胸腔鏡手術はsolo surgeryが可能という簡便性や肺を圧迫しないので組織障害が少ないという利点により今後浸透することは間違いない.一方で開胸手術はT4やサルベージ手術など限られた症例が適応になるであろう.2. 化学療法は微小転移を...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵

次世代癌診療における胃外科の課題
小寺 泰弘(名古屋大・消化器外科)
次世代の胃外科においては高齢化(併存症を有する症例の増加)と接合部癌の増加がキーワードとなるであろう.早期胃癌については,センチネル法によりリンパ流を介した進展範囲を特定し,術式の個別化につなげたい.しかし,適切な距離を確保して病変を局所切除するのもストレスの多い術式である.古典的な形態学に頼った切除範囲の決定は鏡視下手術には適さないので,病変の浸潤範囲についても精緻なnavigation法の開発...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵

大腸癌外科治療の今後の展望
矢野 秀朗(国立国際医療研究センター・外科)
今世紀に入って大腸癌外科治療における変革をもたらした最大のものは,腹腔鏡手術と補助療法といえよう.腹腔鏡手術の発展に伴い,その長所は当初期待された低侵襲性のみにとどまらず,その拡大視効果によって従来は認識が困難であった解剖学的構造物の理解が容易となった.そしてその効果は特に骨盤内における直腸癌手術において最も発揮されることが分かってきた.今後の適応拡大に向けて,安全性のみならず,腫瘍学的側面,手技...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵

肝臓外科治療の今後の展望
武冨 紹信(北海道大大学院・消化器外科学分野I)
徹底した周術期管理や手術器具の開発に伴い,この30年で肝切除や肝移植の安全性は向上した.さらに内視鏡外科手術が肝臓外科分野にも応用されるようになり,より低侵襲な治療として定着しつつある.さらに本邦でも手術支援ロボットの使用が広まってきているが,繊細で安定した操作性の特徴を活かし,肝臓外科領域での応用が期待される.肝細胞癌(HCC)に対する肝切除後生存率は50%と向上したが再発率は依然として高率のま...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵

胆道癌外科治療の進歩と近未来の展望
上坂 克彦(静岡がんセンター・肝胆膵外科)
胆道外科,特に胆道癌の外科治療は,過去20年の間に大きく進歩した.その内容は,1)術前画像診断の進歩,2)手術手技の進歩と安全性の向上,3)術後長期予後の改善,にまとめることができる.1)術前画像診断の進歩はMDCTの出現によるところが大きい.とりわけ肝門部や膵頭周囲の主要脈管の描出とその立体解剖の把握,癌の三次元進展度診断とそれに基づくR0切除を企図した術式の設定は,MDCTによって飛躍的に容易...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵

次世代の外科医に課せられる膵癌治療の方向性
平野 聡(北海道大大学院・消化器外科学分野II)
 膵癌は固形癌の中で各種治療に最も抵抗性を有する癌種であり,ここ10年以上の外科治療成績の停滞が課題の大きさを浮き彫りにしている.発症例の多くが遠隔転移や局所過進展を呈し,診断時に切除非対象とされる症例が多いことも外科治療の進歩に大きな妨げとなっている.膵頭部癌における拡大切除の有効性を否定した本邦でのRCTは,手術による膵癌制御がいかに困難であるかを我々外科医に十分なエビデンスとして示してくれた...

第55回日本消化器病学会大会次世代消化器癌診療における外科治療の展望:Part I 消化管,Part II 肝胆膵