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iPS細胞技術が可能にする新しい医療
中内 啓光(東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センターERATO中内幹細胞制御プロジェクト)
体細胞を初期化してES細胞と同等の能力を持つ幹細胞を誘導するiPS細胞作製技術が確立され,胚を壊したり核移植をすることもなく“患者自身の多能性幹細胞”を利用する道が開けた.患者や正常人から樹立したiPS細胞は,まず初めにヒト細胞の新しいソースとして病態解析,創薬,毒性試験等へ利用されるだろう.次に遺伝子を修復して遺伝病を根治する遺伝子矯正治療や,抗原特異的なT細胞を若返らせてから免疫療法を行うなど...

第99回日本消化器病学会総会