セッション

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司会の言葉
坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学)
 現在我が国の地域医療が崩壊の危機に瀕していることは周知の事実である.その根源は,診療報酬・保健医療のあり方にあるが,これと関連した医師不足も大きな要因である.医療現場,特に大学病院をはじめ各病院の若年医師の酷使状況とその待遇の悪さが医師不足の大きな原因となっている.その解決のためには,消化器若年医師の勤務実態を明らかにし,診療報酬のあり方,TPP参加の影響などとの関連を議論したい.さらに医師総数...

第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割

地域医療における若年医師の実態
藤森 俊二(日本医科大学消化器内科学)
若年医師について述べよという容易ではない題名を拝命し,自施設の状況を踏まえて以下のような私見を述べさせていただく予定である.新臨床研修制度により2年間の医師無入局期間と続くメジャー科の敬遠傾向から,当科では新臨床研修制度導入後4年間で1名しか入局者がいないという危機的な状況を迎えた.結果,卒年数の医師数に大きな差ができ,指導や派遣に大きな影響を今でももたらしている.入局者の激減により,当院の派遣病...

第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割

勤務医の待遇改善と地域医療―診療報酬との関連
福田 健(獨協医科大学,栃木県医師会・勤務医部会)
住民の医療ニーズを満たし且つ安全な地域医療を守るためには,過重労働で疲弊しきった病院勤務医の労働環境を改善することが喫緊の課題である.厚労省は平成22年度診療報酬改定において,病院勤務医の負担軽減に資する体制整備に結びつく算定項目の拡大・新項目の設置を行った.具体的には,医師事務作業補助者の配置に対する評価の充実,充実した急性期医療を提供する医療機関に対する評価,栄養管理や呼吸ケアなど医師以外の他...

第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割

地域偏在および専門科偏在をどのように解決するのか.―永田町から見た消化器医療―
小松 裕(衆議院議員)
 かつて騒がれた医療崩壊はそのころ大学病院に勤務していた私にとって政治を志すきっかけとなった.新研修医制度や医療保険の仕組みなど,医療現場の現状が十分に反映されないで医療の仕組みが決まっていると感じ,医学の進歩以上に医療の仕組みにかかわることが病気に苦しむ患者さんを助けることにつながると考えた.医者も政治にかかわる人間も目指すところは同じである.医師の地域偏在や専門科偏在を解決するうえでのポイント...

第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割

地域医療をめぐる現在の問題点と今後
嘉山 孝正(山形大学医学部脳神経外科)
日本の医療制度の根幹である国民皆保険制度が発足してから52年が経過し,医療の内容,医療体制および人口構成の変化等が原因で,現在大きな変革をしなければ医療崩壊が更に進行し,国民皆保険制度や医療提供体制が完全に壊れる岐路に立っている.
戦後の日本の医療体制は医療過疎が現在より更にひどい状態であった.そのため,国民皆保険制度や一県一医科大学構想で,国民の医療をどうにか守ってきた.しかし,近年の高齢...

第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割

国民及びメディアから見た地域医療のあり方と問題点
山口 博弥(読売新聞東京本社医療部)
 医師不足(地域や診療科による偏在)が社会的な問題になって久しい.5,6年前に比べるとメディアの報道は減っているが,現状はどうなのか.2013年の弊紙記事(全国版,県版)からいくつか拾ってみる.
▽秋田県の調査.県内75病院中,6割の45病院で医師375人が不足.偏在もあり,2次医療圏の「北秋田」は,県平均の約半分.
▽富山県の調査.全体で医師122人が不足.看護師も394人不足. 第100回日本消化器病学会総会地域医療における消化器病学の役割