- Cancer Boardの役割_診療科の枠を越えて治療方針の共有・一体化の形成
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田中 栄一(北海道大大学院・腫瘍外科学)
Cancer Boardとは各分野の専門家が集まって1つの症例に対する治療法を包括的に議論する場で、その結果、エビデンスに基いた有効性の高い集学的治療法を決定し、疾患の種類や病期、合併症治療、更には患者さんの意思を尊重した、最適で包括的な治療方針を提示・実践して行こうとする新たな診療体制と定義できる。 当科では、1990年代より内科、放射線科(放射線部)、および当科とで週1回水曜日夕方に肝胆膵領域...
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高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割
- cancer boardの現状と課題について
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道傳 研司(福井県立病院・外科)
【はじめに】近年の消化器癌治療法の多様化や患者・社会背景の複雑化に対しては、消化器外科医だけでは対応しきれない状況にある。【対象と方法】当院では、2009年11月よりcancer boardを週3回開催している。毎回、消化器外科医の他、病理医、消化器内科医、腫瘍内科医、呼吸器外科医、がん化学療法看護認定看護師等を含む看護師、薬剤師、放射線技師などが参加している。治療方針決定に難渋している症例に対し...
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高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割
- 消化器系の合同カンファレンスを集約して成立させた多科cancer board ―地方大学病院での試み―
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木南 伸一(金沢医大・一般・消化器外科学)
【目的】消化器癌においても、高度進行癌・再発癌の治療はcancer board (CB)で意見交換して臨むことが望ましい。しかし多科多職種で行うCBの設置および運用は容易ではない。人的資源の枯渇から多忙を極めている地方私立大学病院では一層困難である。当院では、腫瘍内科が企画運営する難治癌に対するCBとは別に、日常診療に密着した消化器癌の多科CBが稼働中である。その成立までのプロセスを紹介する。【方...
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高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割
- 高度進行・再発食道癌治療における秋田大学食道cancer boardの役割と現状
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本山 悟(秋田大・消化器外科)
高度進行・再発食道癌に対しては多くの診療科の専門知識と経験を集約させた集学的治療が必須であり、Cancer Board(CB)の役割はより重くなる。秋田大学病院では2003年に食道癌CBを立ち上げた。消化器内科、食道外科、放射線科、腫瘍内科、薬剤部で構成される食道癌CBを、週1回定期開催し、これまで延べ約1000例の食道癌患者の治療をCBで行ってきた。当院CBの特徴は、受診したすべての食道癌症例の...
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- 癌専門病院における胃疾患キャンサーボード
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岩崎 善毅(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
当院は東京都立がんセンターとしての役割を担っているが、胃疾患キャンサーボードは胃外科疾患グループが中心となり、2004年1月よりキャンサーボードとして立ち上がった。原則として当院で扱う全ての胃疾患患者を対象として診療科の壁を取払い、適正な治療法を決定すべく、包括的に議論する場となっている、胃がん治療のガイドラインの治療方針に沿った標準治療とオプションと指定の位置づけである臨床研究を患者の希望に沿っ...
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高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割
- 転移性肝癌Cancer Boardの意義:東京大学の取り組み
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長谷川 潔(東京大・肝胆膵外科)
【背景】通常、肝転移は高度進行stageとして切除適応外だが、一部で切除の有効性が認められている。とくに大腸癌肝転移には肝切除が唯一の根治的治療法とされるが、最近は新規抗癌治療の進歩やRFAの普及で、治療戦略は急速に複雑化しており、何が本当に適切な選択肢なのか、専門家ですら判断が難しくなっている。【方法】東京大学肝胆膵外科では以前より大腸癌肝転移に積極的に肝切除を行ってきた。個数に制限を設けず、肺...
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高度進行・再発消化器癌治療におけるcancer boardの役割
- 高度進行・再発膵癌診療における神戸大学膵癌Cancer Boardの役割
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外山 博近(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
【背景】当院で膵癌診療に関わる主な診療科は、消化器内科、肝胆膵外科、腫瘍内科、放射線科、放射線腫瘍科、病理診断科の6科にわたる。以前は各科ごとに紹介患者を受けて診断、治療をすすめ、必要があると判断した場合のみ個別に他科へのコンサルトを行うシステムであった。2009年の局所進行膵癌に対する多施設共同臨床試験への参加を契機に、神戸大学膵癌Cancer Board (Kobe Pancreatic Ca...
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