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司会の言葉
 
 過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)の病因・病態生理は,ゲノム,脳腸ペプチド,消化管運動,内臓知覚過敏,消化管免疫,腸内細菌,脳機能画像,心理社会的因子について,マルチモーダルに解明されて来ている.それに即応して,従来の高分子重合体,消化管運動調節薬,乳酸菌製剤,下剤,抗コリン薬,抗不安薬を超える薬物療法の開発が国際的に進んでいる.非吸収性抗菌薬,便秘型IB...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

下痢型過敏性腸症候群に対するラモセトロン塩酸塩の効果
千葉 俊美(岩手医科大学医学部消化器・肝臓内科)
過敏性腸症候群(IBS)に対する治療としてわれわれはポリカルボフィル製剤投与により大腸通過時間,便形状および腹部症状が改善し,特に腹部症状が改善することでQOLが改善することから,IBSの治療目標として腹部症状の改善が第一に望まれることを報告している(千葉俊美,他.消化器科2003,Chiba T, et al. Hepato-Gastroenterol 2005).目的:下痢型過敏性腸症候群に対...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

陰イオン交換樹脂コレスチミドによる過敏性腸症候群の治療
瓜田 純久(東邦大学総合診療・救急医学講座)
【背景】胆汁酸は回腸末端付近で再吸収されるが,手術などの同部位が切除された場合には,腸管循環が破綻して脂肪吸収不良を呈する.大腸内に流入した胆汁酸は大腸のcyclic AMPを活性化して水分分泌を促進するため,下痢が惹起される.一方,手術歴のない成人においても胆汁酸吸収障害(BAM)が報告されている.慢性下痢を呈するため,過敏性腸症候群(IBS)として治療されるが,BAMに気づかないため,有効な治...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

過敏性腸症候群患者に対するメシル酸カモスタットの効果―内臓知覚ならびに大腸運動反応を中心として―
金澤 素(東北大学行動医学分野)
【目的】過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)患者の便中serine-protease活性はprotease activated receptor 2(PAR-2)を介して内臓知覚過敏性に関連していることが示唆されている.動物モデルにおいて,メシル酸カモスタット(30-100 mg/kg)は拘束ストレス後に誘発される内臓知覚過敏性亢進を低減させることが報告されて...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

機能性消化管疾患モデルにおけるIL-17の関与と大建中湯の有効性の検討
秋穂 裕唯(九州大学大学院病態制御内科/北九州市立医療センター消化器内科)
【目的】過敏性腸症候群(IBS)の発症には消化管の炎症による腸管免疫系の異常が関与し,low grade inflammationという疾患概念が確立されつつある.今回我々は抗CD3抗体投与後腸炎におけるTh17サイトカインの関与と大建中湯の有効性を検討した.
【方法】急性腸炎はBALB/cマウスに抗CD3抗体(12.5μg)を腹腔内投与することにより作製し,胃腸管輸送能をGeometric...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

大腸画像検査を応用した過敏性腸症候群の診断と治療―病態把握と認知療法のツールとして―
水上 健(NHO久里浜医療センター内視鏡検診センター)
IBSの病態は脳腸相関異常・知覚過敏・腸管運動異常とされ,大腸検査では異常がないとされる.近年は診断・治療過程で大腸鏡を30%が経験する(JROAD-III).大腸検査の目的は腫瘍や炎症の検出で腸管運動や形態評価は目的とされない.これまで我々は腸管容積の変動を抑えることで無麻酔でも苦痛の少ない大腸鏡挿入法「浸水法Dig Endosc2007」を開発・実施しているが,鎮痙剤により正常者の腸管運動を抑...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法

認知機能アセスメントを活かした過敏性腸症候群の治療―WAIS-IIIを利用した心理社会的アプローチ―
小山 憲一郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心身内科学分野)
 過敏性腸症候群(以下IBS)はストレス関連疾患の代表である.他の器質的消化器疾患患者や健常群との比較において,IBS患者はストレスを高く感じる傾向が報告されている(Blanchard EB,2001).
 思春期,青年期の学生においては,症状の増悪がいじめや不登校など生活環境問題と関係していることがよく経験される.以前,不登校に付随したIBSの背景に学習障害的な能力の偏りがあり,学業そのも...

第99回日本消化器病学会総会過敏性腸症候群に対する新規治療法