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司会の言葉
 
 大腸癌の化学療法においては,FOLFILIやFOLFOXなどの従来の殺細胞性抗がん剤の組み合わせによるレジメンの確立に加えて,分子標的治療薬である抗VEGF抗体薬や抗EGFR抗体薬が登場して治療成績が向上している.しかし,分子標的治療薬同士や殺細胞性抗がん剤との併用については未だ検討余地が多い.抗EGFR抗体薬はKRAS変異のない大腸癌に限定して使用されているが,今後,分子標的治療薬の効果をより...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

切除不能大腸癌の化学療法における分子標的薬の位置づけ
山口 研成(埼玉県立がんセンター消化器内科)
 大腸がん治療ガイドラインに記されているように,大腸がん化学療法の使い分けはますます複雑化している.一次治療におけるイリノテカンのテンプレートとオキサリプラチンテンプレートの使い分け,bevacizumabと抗EGFR抗体の使い分け,そして生存期間が延長してきたため,chemoholidayやmeintenance治療の問題,そして修学的治療においては転移巣切除をどこまで行うかなどが議論になってい...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

切除不能大腸癌の化学療法における抗癌剤感受性試験(collagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test:CD-DST)を用いたfirst lineの個別化の試み
落合 匠(東京都保健医療公社東部地域病院外科)
【背景】近年切除不能大腸癌化学療法においては,分子標的治療薬(抗VEGF抗体薬/抗EGFR抗体薬)併用による治療が標準となっている.抗EGFR抗体薬に関してはバイオマーカーによる個別化がされているが,抗VEGF抗体薬においては未だ有用なバイオマーカーが見つかっていないのが現状である.一方従来の殺細胞性抗癌剤におけるfirst lineはFOLFOX/FOLFIRI療法どちらを先行させても良く,重要...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

マルチバイオマーカー解析に基づく切除不能大腸癌の化学療法・分子標的治療の展望
能正 勝彦(札幌医科大学内科学第一講座)
 大腸癌の個別化化学療法・分子標的治療につながる分子異常としてマイクロサテライト不安定性(MSI)などを明らかにしてきた(Nat Genet 2006,2009,Cancer Cell 2010,Genome Res 2012など).現在,抗EGFR抗体薬はKRAS遺伝子野生型の大腸癌に限定して使用されている.BRAF,PIK3CA遺伝子変異やPTEN不活化なども抗EGFR抗体薬に対...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

大腸癌抗EGFR抗体療法の効果予測における4種類のEGFRリガンド(AR,HB-EGF,TGF-α,EREG)解析の有用性
吉田 道弘(名古屋市立大学消化器・代謝内科学)
[目的]KRAS野生型の切除不能進行再発大腸癌に対して抗EGFR抗体(cetuximab,panitumumab)は広く臨床使用されているが,KRAS野生型においてもその効果は限定的でありさらなるバイオマーカーの同定が必要と考えられる.今回我々は抗EGFR抗体を投与された大腸癌において,7種類すべてのEGFRリガンドの発現解析を行いバイオマーカーとしての有用性を検討した.[方法]2009年1月から...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

大腸癌2次化学療法Irinotecan単剤におけるBevacizumab継続投与の有効性
平井 聡(富山県立中央病院内科(消化器))
【背景】大腸癌2次化学療法においてIrinotecan(IRI)単剤治療はFOLFIRI療法の認容性がない場合に選択されることが多いが,隔週投与の有効性とBevacizumab(BV)継続投与の利益ははっきりしていない.【目的】2次化学療法におけるIRI単剤治療成績とBV継続投与の上乗せ効果を明らかにする.【対象と方法】当院で2007年5月から2012年5月までの約5年間に根治切除不能進行結腸・直...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

大腸癌肝転移に対する新たな治療戦略
植竹 宏之(東京医科歯科大学応用腫瘍学)
【はじめに】ベバシズマブ(Bmab)併用化学療法は切除不能大腸癌に対して高い奏効率を示す.当科では大腸癌肝単独転移例のうち,切除不能またはH2症例に対してBmab+mFOLFOX6療法を行い,化療後に肝切除を目指している.【対象と方法】肝単独転移17例(切除不能;12例,可能;5例)に対するBmab+mFOLFOX6療法の奏効率は76%であった.化学療法後肝切除を行った症例は8例(化療前切除不能;...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

切除不能大腸癌肝転移症例に対する肝動注化学療法の検討
城野 智毅(公立八女総合病院内科)
【目的】我々は大腸癌肝転移が主な予後因子となりうる場合,全身化学療法が不応で肝転移が主の場合に肝動注化学療法(HAIC)を治療戦略のひとつとしている.今回,我々は切除不能大腸癌肝転移症例に対しHAICを施行し,その有用性,安全性について検討した.【対象】2003年7月から2012年8月までに切除不能大腸癌肝転移に対してHAICを施行した28症例(平均年齢:65.8歳,男性/女性:14/14例,H1...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

大腸癌肝転移に対する術前化学療法の検討
河野 浩幸(九州大学大学院消化器・総合外科)
【はじめに】分子標的薬の導入を含めた化学療法の進歩により,大腸癌肝転移の切除成績は向上している.ただし,術前治療の対象となる肝転移の程度や化学療法のレジメンなどに一定のコンセンサスはない.【目的】術前化学療法を施行した大腸癌肝転移症例の臨床病理学的因子や奏功度について検討し,術前に化学療法を行う肝転移の対象および,化学療法のレジメについて考察する.【対象】2004年から2011年までの間に当科にて...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法

Conversion chemotherapyが施行された治癒切除不能大腸癌に対する予後因子解析
井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学)
【はじめに】治癒切除不能進行・再発大腸癌治療においては,治癒切除を目指したConversion chemotherapyが肝転移症例を中心に着目されている.しかしながら,肝外転移での有効性や2次切除のタイミング,切除後の補助化学療法など十分明らかにされていない.今回,当科でConversion chemotherapyが施行された切除不能大腸癌に対する予後因子解析を行い,大腸癌集学的治療の最適化を...

第99回日本消化器病学会総会切除不能大腸癌の化学療法