セッション

検索結果は10件です。

胆汁酸研究の動向~オーバービュー~
田妻 進(広島大病院・総合内科・総合診療科)
消化器疾患と胆汁酸の関わりは複合的である。病態や発症メカニズムと密接に関わる場合は胆汁酸の代謝動態を評価することが診断に役立つ。一方、胆汁酸プールサイズやその組成が深く関与する場合は治療戦略としての応用が求められる。胆汁酸が腸肝循環を営むことから関連する疾患は実に多彩であり、1)胆汁逆流に基づく上部消化管疾患、2)胆汁酸再吸収障害に引き続く下部消化管疾患、3)胆汁うっ滞性肝疾患や胆道疾患など様々な...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

Barrett食道の発生過程における胆汁酸逆流の役割
数森 秀章(松江生協病院)
[目的]Barrett食道は扁平上皮が円柱上皮におきかわる病態であるが、その発生機序は明らにされていない。我々は胆汁酸によって食道扁平上皮細胞にCdx2の発現が誘導され、その結果Barrett食道が発生する可能性を示してきた(Kazumori H, et al. Gut 2006)。さらに我々はCdx2だけでなくCdx1もBarrett食道において発現を認め、Cdx1とCdx2との相互調節機序がB...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

食道腺がん発がん過程における胆汁酸受容体FXRの活性化を介したCDX2蛋白分解動態の検討
松崎 潤太郎(慶應義塾大・消化器内科)
【目的】バレット腺がんの形成には食道への胆汁酸逆流の関与が指摘されている。我々は腸上皮化生を誘導する転写因子CDX2の蛋白発現量が、バレット食道から腺がんへの発がん過程で減少する点に着目し、CDX2が細胞増殖抑制効果を持つことと、胆汁酸がCDX2蛋白のプロテアソーム分解を促進することを発見した。今回、CDX2分解刺激を伝達する胆汁酸受容体を明らかにし、またCDX2分解を促進するmiR-221...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

GPR40の脂肪酸センシングと胆汁酸
山本 明子(名古屋大大学院・健康栄養医学)
【目的】胆汁酸は小腸内の脂肪滴を乳化して、脂肪酸やモノグリセリドを含んだ混合ミセルを形成し、消化・吸収に役立っている。一方、GPR40は中鎖~長鎖脂肪酸の受容体であり、膵β細胞に発現するほか、上部小腸の消化管内分泌細胞に発現し脂肪摂食によるcholecystokinin(CCK)分泌を担うと考えられている。in vivoにおいて、胆汁酸は血中CCKの分泌を抑制すると報告されているが、そのメカニズム...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)における酸化ストレスと脂質・胆汁酸代謝異常
児玉 尚伸(広島大病院・総合内科・総合診療科)
背景と目的:NAFLDはメタボリック症候群の一表現型と考えられ、高血圧の関与も報告されている。本研究では高血圧惹起NAFLDモデルを用いて、NAFLD成立・進展における脂質・胆汁酸代謝変動を核内レセプターに着目して検討するとともに、その酸化ストレスへの関与を考察した。方法:SHR(8w齢)をコリン欠乏(CD)食にて飼育(5w)したNAFLDモデルについて、1)脂質代謝動態(肝組織中および血清脂質変...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

NAFLD患者血清における酸化ステロール上昇とその意義
池上 正(東京医大茨城医療センター・消化器内科)
酸化ステロール(Oxy)はコレステロール(Chol)が非酵素的に、あるいは酵素的に酸化されることで産生され、胆汁酸の前駆物質となる。NAFLD患者に対するピタバスタチン投与の効果を検討した多施設試験により得た患者血清ならびに健常者血清を用いて、NAFLD患者のChol代謝とOxyの関連について検討した。【方法】肝生検にて診断した、高Chol血症を伴うNAFLD患者の血清 (n=15)、ならびに性・...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

非環式レチノイドとGW4064(FXR ligand)併用による肝癌抑制効果
大野 智彦(岐阜大・消化器病態学)
【目的】レチノイドX受容体RXRαのリン酸化修飾に伴う機能不全はヒト肝発癌に深く関与している。一方、RXRαとheterodimerを形成して活性化するファルネソイドX受容体FXRも肝癌に関与している。今回我々は、RXRα ligandの非環式レチノイド(ACR)と、合成FXR ligandのGW4064との併用処理による、肝癌細胞に対する効果とそのメカニズムについて検討した。【方法】ヒト肝癌細胞...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

ラット90%肝切除後胆汁鬱滞はNtcpの持続する発現抑制と局在変化およびMrp4の発現亢進による
三浦 卓也(弘前大・消化器外科, 青森市民病院・外科)
【目的】肝切除後に遷延する胆汁うっ滞は、術後合併症や在院死亡につながるが、その機序は明らかでない。ラット90%肝切除モデルを用いて、胆汁酸輸送膜蛋白に注目し、機序を検討した。【方法】雄性Sprague-Dawley 6-7週齢ラットに対し70%、90%肝切除を施行し、切除直前0日、切除後1日、3日、7日の肝臓と血液を採取し、肝重量と血中胆汁酸濃度を測定した。90%肝切除において、切除直前0日を対照...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

胆道疾患におけるMRCP撮像の新たな試み-デヒドロコール酸投与による描出能向上について-
酒井 裕司(千葉大大学院・腫瘍内科学)
【目的】近年MRCPの発達により胆道疾患の診断能が飛躍的に向上している。胆道付加手術後など内視鏡的アプローチが困難な症例などはMRCPによる胆道の情報は治療方針を決定するうえで非常に重要であり、MRCPに求められる期待はより大きくなってきている。ただし微細病変は未だ直接造影に劣ると考えられている。膵臓領域に関してはセクレチン投与による描出能向上の報告が多数認められている。我々は以前より強力な水利胆...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸

牧野 勲(恵庭クリニック)
...

第54回日本消化器病学会大会消化器疾患と胆汁酸