- 司会の言葉
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GISTは消化管に発生する間葉系腫瘍であるが,これまでの研究で,その発生メカニズムとしての遺伝子異常,臨床病理学的特徴と悪性度の関連,分子標的治療薬の開発とその臨床効果等が明らかにされてきた.治療としては外科的切除が第一であるが,再発予防としての術後補助療法に関する臨床試験の結果が公表され分子標的治療薬の効果が確認された.また,巨大GISTに対する術前補助療法の臨床試験も進行中である.切除不能・...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- エビデンスに基づくGIST治療の現状と今後
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西田 俊朗(大阪警察病院外科)
GISTの術前組織診断はしばしば困難であるが,GISTと診断された場合,治療第一選択は外科手術による完全切除である.局所進行GISTに対しては,術前補助化学療法も考慮されるが,その対象,期間,治療方法についての確固たるエビデンスは確立していない(推奨度C1).術後臨床病理学的評価で高再発リスク群に入ると考えられた場合,3年間の術後補助化学療法で無再発生存期間と全生存期間の延長が認められたため,現時...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- GISTにおける造影EUSの有用性
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山下 泰伸(和歌山県立医科大学第二内科)
肝腫瘍を中心とし,現在腫瘍診断目的にソナゾイゾを用いた造影エコーが用いられ,その有用性が示されている.一方で,粘膜下腫瘍において,診断目的のEUSはミニチュアプローベが用いられることが多く,造影EUSが用いられることは少なく,その有用性に関する報告は少ない.また,術前のGISTの診断,悪性度診断にFNAが用いられるが,悪性度の診断に関しては,組織量が少なく悪性度診断が困難な場合を経験し,また組織は...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- GIST遺伝子解析と臨床的悪性度の比較検討
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舩坂 好平(名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部)
【背景】消化管間葉系腫瘍(GIST)の悪性度評価(リスク分類)に関しては腫瘍径,核分裂像,発生臓器による3項目により決定され,c-kitを含む分子生物学的因子は含まれていない.リスク分類は腫瘍径に強く依存しており悪性度予測というより結果を反映したものである.新たな悪性度予測因子を見つけることは,小さなGISTに対する治療方針の選択に有用と考えられる.【目的】GISTのリスク分類,臨床的悪性度(浸潤...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- 小さな上部消化管粘膜下腫瘍の超音波内視鏡による経過観察症例の検討
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根引 浩子(大阪市立総合医療センター消化器内科)
【背景】小さなGISTの自然経過についての報告は少ない.当院では上部消化管粘膜下腫瘍には,超音波内視鏡(EUS)を行っている.固有筋層に一致する第4/5層に存在する低エコー腫瘤を間葉系腫瘍(GIMT)と診断する.5cm以上のもの,臨床症状がある,増大を認めて2 cm以上,EUS-FNAでGISTと診断されたものについては手術を勧める.それ以外の症例は初回半年後に,その後は1年ごとにEUSで経過観察...
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- 胃GISTに対するhybrid NOTESの臨床経験とpure EFTRの実現性の検討;Kagawa NOTES projectでの取り組み
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森 宏仁(香川大学医学部附属病院消化器・神経内科)
【目的】胃GISTに対する胃局所切除は腹腔鏡下胃局所切除,LECS,hybrid NOTESなどがあり術式の違いを比較検討する.研究開発としてpure EFTRを安全に施行するための信頼性のある全層縫合器とカウンタートラクション器を用いた無送気EFTRを検討する.【方法】2009年から2012年までにhybrid NOTESを施行した胃GIST患者13例を解析・検討した.研究開発ではブタ切除胃を用...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- 2cm未満の胃GISTに対する治療方針の検討
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品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院消化器内科)
背景と目的:最近ではEUS-FNAの台頭により2cm未満の小さい胃GISTの診断が可能になっている.GIST診療ガイドラインではGISTと診断された場合は,外科切除が基本とされているが様々な理由で経過観察となる症例も少なくない.そこで今回は,2cm未満の胃GISTに対する適切な治療方針を確立することを目的とした.対象と方法:1996年1月から2011年9月の間にEUS-FNAまたは外科的切除を行い...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- 切除不能・転移性消化管間質腫瘍に対する集学的治療―イマチニブ二次耐性後の治療と生存成績
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神田 達夫(新潟大学消化器・一般外科学分野)
【背景】転移・再発性消化管間質腫瘍(GIST)患者において,イマチニブ二次耐性発生後の詳細は知られていない.【目的】イマチニブ二次耐性GIST患者の治療の実態および,その予後を明らかにする.【患者】2012年9月までに新潟大学医歯学総合病院でイマチニブ二次耐性が診断された転移・再発性GIST患者47名.男性33名,女性14名.KIT遺伝子変異はエクソン9が6名,エクソン11が22名,未検が19名で...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- miR-196aとHOTAIRの高発現は消化管間質腫瘍の悪性化に関与する
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新沼 猛(札幌医科大学内科学第一講座)
【背景と目的】GISTは消化管間葉系腫瘍の中で最も多い腫瘍である.近年,ノンコーディングRNAのひとつであるマイクロRNAが細胞の分化,増殖そして癌化において重要な役割を果たしていることが明らかになってきた.また,様々な腫瘍においてマイクロRNAの発現のプロファイルが変化すること,そして予後や臨床像と相関することが報告されているが,GISTにおける報告はまだわずかである.本研究ではGISTにおける...
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GIST研究の進歩と臨床への展開
- 胃GIST症例と健診者との胃粘膜萎縮に関する比較検討
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富永 和作(大阪市立大学消化器内科学)
【目的】GIST発生の遺伝子異常と臨床病理学的特徴と悪性度との関連性に加え,GIST内部にグレリンあるいはグレリン受容体が発現していることが報告されている.胃粘膜萎縮は進行に伴い,グレリンなどの内分泌学的に変化することは知られているが,胃粘膜萎縮と胃GISTの存在ならびに増大との関連性についての報告はない.胃GIST経過観察患者,当院総合診療センター初診者ならびに会社健診センター受診者を用いて,内...
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