セッション

検索結果は10件です。

慢性萎縮性胃炎および胃癌におけるIL-11遺伝子多型の検討
鈴木 孝良(東海大学医学部消化器内科)
【目的】IL-11の作用は各臓器で多様であるが,胃癌においてその発現は増強し癌の浸潤や増殖に相関していることが報告されている.しかし,その遺伝子多型と胃癌の関連に関しては,ほとんどわかっていない.一方,萎縮性胃炎が進行すると胃癌のリスクが上昇することは多くの検討から明らかであるが,どのような患者で萎縮性胃炎が進行しやすく胃癌のリスクが高いのかは明らかではない.本研究では,胃癌,胃炎患者のIL-11...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

Stem cell nicheを用いたin vitro胃腺管3次元培養系の確立
片野 敬仁(名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学)
【目的】幹細胞研究の進歩に伴い,様々な組織における組織幹細胞の局在,分化過程が明らかとなってきたが,胃においては未解明な点が多いのが現状である.これは従来,正常胃粘膜上皮の培養が困難であり,幹細胞やprogenitor cellの分化過程を確認することを可能とする適切な培養法が存在しなかったことが一因である.われわれはstem cell nicheを含める形での胃腺管の長期培養を試みた.【方法】生...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

胃癌腹膜播種の成立における腹腔内遊離間葉系幹細胞の役割とその臨床的意義
北山 丈二(東京大学腫瘍外科)
【目的】腹膜播種は胃癌の予後を規定する最も重要な因子であるが,成立機序には未知な点が多い.腹腔内に遊離した形で存在する間葉系細胞に注目し,播種成立における意義とこれを標的とした治療の可能性を検討した.【方法】胃癌患者の癌性腹水/洗浄細胞液を採取,遊離細胞を回収し,Type I collagen-coated plate上で培養,付着細胞群の機能を解析した.【結果】胃癌患者腹腔内にはCD45(-)C...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

胃粘膜幹細胞マーカーLgr5発現のHelicobacter pylori除菌による変化
竹田 幸祐(奈良県立五條病院消化器病センター)
【目的】H.pylori(Hp)感染症は萎縮性胃炎の進展過程で幹細胞に影響し,幹細胞の胃型から腸型への変化すなわち腸上皮化生と進展に深く関与している.一方,Hp感染は炎症反応を通して強力なプロモーション作用を示し発癌を促進すると考えられている.今回,胃粘膜幹細胞マーカーLgr5の発現についての除菌前後の変化を検討し,Hp感染による発癌のリスクについて考察した.【方法】当院の除菌成功例...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

胃MALTリンパ腫増大機序における幹細胞とHGF,c-Metの関連
中村 正彦(北里大学薬学部臨床薬学研究・教育センター病態解析学)
胃における間葉系腫瘍のなかで最も頻度の高いMALTリンパ腫においては,白血病とは異なり幹細胞の関与は不明でり,Helicobacter pyloriおよび遺伝子転座などの関与が注目されているが,近年リンパ腫の形成に幹細胞の関与を示す報告が散見されるようになってきた.われわれは,カニクイザル由来のH. heilmannii感染C57BL/6マウスに低悪性度MALTリンパ腫モデルを作成し...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

ESD後潰瘍に対しOTSC systemおよびクリップを用いた内視鏡的閉鎖術の有用性の検討
前川 智(独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院消化器内科)
【目的】ESDの二大合併症は出血と穿孔で,出血率は2~16%,穿孔率は1~6%と報告され,術後1週以内に起こる可能性が高い.ESD施行後は病変があった部位が必ず人工潰瘍となるため,1~2日は欠食が必須で,その後も食事療法が必要となる.従って,ESD施行施設では1週間前後の入院加療を要している.ESD後出血や穿孔を来した場合は,入院期間がさらに伸びる傾向にあり,大きな穿孔を生じた際は,外科治療を要す...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

切除不能進行胃癌に対するconversion surgeryの適応とタイミングの検討
大島 貴(横浜市立大学外科治療学)
【目的】切除不能進行胃癌に対するconversion surgeryの適応とタイミングについて検討した.【方法】2006年6月-2011年8月に臨床試験でS-1+docetaxelを一次治療として施行した切除不能進行胃癌107例を対象とした.評価は2コース毎に行い,R0切除が可能と診断した場合にconversion surgeryを施行した.【成績】conversion症例は20例(19%)で,R...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

胃癌における胃内洗浄液細胞診の検討―遊離癌細胞は検出されるのか?―
大木 亜津子(杏林大学外科)
【背景と目的】胃癌に対する内視鏡的全層切除術や腹腔鏡内視鏡合同手術などが行われるようになってきた.しかし,それらの処置では癌細胞の腹腔内散布,ひいては腹膜播種の可能性が懸念される.しかし,これらの現象のエビデンスはなく,現時点ではあくまで「懸念」に過ぎないのではないだろうか.今回,胃癌症例において,内視鏡検査や処置時における胃内洗浄液細胞診を行い,遊離癌細胞が検出されるか否かを検討したので報告する...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

Multiplex-ligation-dependent probe amplificationを用いた胃癌における分子標的の準網羅的検索
大井 章史(金沢大学大学院医学研究科分子細胞病理学)
【目的】遺伝子増幅は点突然変異,染色体転座とならんで癌原遺伝子が癌遺伝子にかわる重要な遺伝子変化の一つである.受容体チロシンキナーゼをコードするHER2,EGFR,FGFR2,METや,p53の分解蛋白をコードするMDM2はいずれも胃癌をふくむ各種の癌で増幅がみられており,すでに分子標的薬が臨床応用されているか,開発中である.本研究では,胃癌における,これらの遺伝子蛋白...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線

胃癌におけるpStageで層別化したcStageと生存転帰との相関―cStageは術前化学療法の症例選択の指標となりうるか?―
坂東 悦郎(静岡がんセンター胃外科)
背景:術前化学療法(NAC)の適応症例は必然的に術前のclinical stage(cStage)に基づいて選択される.cStageと生存転帰の関連は少数報告されているが,pathologic(p)stageで層別化したcStageの意義は検討されていない.即ち,同一のpStageにおいてもcStageによる生存転帰の有意な分離が認められれば,NACの適応症例選択の指標として頑健性を得ていると言え...

第100回日本消化器病学会総会胃腫瘍診療の最前線