- コレステロール胆石形成におけるアディポネクチンの意義
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荻山 秀治(大阪大・消化器内科)
【目的】アディポネクチンは脂肪組織から分泌される生理活性物質で血清アディポネクチン値は肥満度と逆相関し、低アディポネクチン血症はインスリン抵抗性を増悪させることが知られている。以前よりコレステロール胆石のリスクファクターとして肥満の報告が多数なされているが、最近血清アディポネクチン値とコレステロール胆石の間に負の相関関係があることが報告された。しかし、胆石発生過程におけるアディポネクチンの関与はい...
第53回日本消化器病学会大会 >
肝・胆道疾患と脂質代謝を見直す-消化吸収異常の関与とその治療-
- 腸管コレステロール吸収抑制による胆汁催石性への長期的影響について~脂質代謝改善薬との併用による胆汁脂質組成変化の臨床的考察~
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岸川 暢介(広島大大学院・病態薬物治療学)
【背景と目的】教室では脂質異常症に対するスタチンによる胆汁脂質・胆石形成性(催石性)への影響を報告してきたが、外因性コレステロールの吸収亢進が胆汁中への脂質過剰排泄を惹起することが判明しつつある。一方、腸管コレステロール吸収輸送担体NPC1L1の選択的阻害剤であるEzetimibeが高コレステロール血症治療薬として広く臨床的に用いられているが、その胆汁脂質に及ぼす影響について検討した報告は乏しい。...
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- 原発性硬化性胆管炎に対するベザフィブラートの有効性
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水野 卓(東京大・消化器内科)
【目的】ベザフィブラート(BF)は脂質異常症治療薬であるが、胆汁中へのリン脂質分泌を促進して、胆汁酸の細胞毒性を軽減するなどの効果が知られており、原発性硬化性胆管炎(PSC)や原発性胆汁性肝硬変などの胆汁うっ滞性疾患に対する有効性が期待されている。今回われわれは、PSCに対するBFの有効性をretrospective/prospectiveに検討した。【方法】2006年11月から2011年4月まで...
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- 胆汁酸合成誘導体(INT747)の脂肪肝治療への可能性
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宮崎 照雄(東京医大・地域医療振興学, 東京医大茨城医療センター・共同研究センター)
【背景】脂肪肝は多くの代謝性肝疾患に関与するが,その薬物治療は未確立である。胆汁酸は,脂質の消化吸収を助ける働きに加え,核内受容体 FXR のリガンドとなり脂質代謝を抑制的に制御するため,脂肪肝の予防・治療に有用と考えられる。しかし,FXRリガンド作用がより強いケノデオキシコール酸(CDCA)は肝障害を引き起こす危険性がある。これに対し,CDCAの合成誘導体6α-ethylchenodeoxych...
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- NAFLD/NASHにおける高脂血症治療薬(HMG-CoA 還元酵素阻害剤)の有効性とその役割について
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兵庫 秀幸(広島大・消化器・代謝内科)
【背景】体内コレステロールは,約50%は肝臓における胆汁酸への異化,約10%はステロイド合成に使われ,約40%はそのまま胆汁とともに便中に排泄されるとされる.一方,メタボリックシンドロームの消化器表現型とされるNAFLD/NASHでは,約70%に高脂血症を合併することが知られ,反対に健診では高脂血症の約40%にNAFLDを合併するとされている.本研究では,高脂血症を伴うNASH治療におけるHMG-...
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- NASH病態に対するコレステロール吸収阻害薬エゼチミブの治療効果
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米田 正人(横浜市立大・消化器内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は近年増加している肝疾患であるが,NASHに対する薬物療法については未だ確立されていない.エゼチミブは動物実験で脂肪肝改善効果,インスリン抵抗性改善効果が報告されているコレステロール吸収阻害剤であり,治療効果がメタボリクシンドローム全般に及ぶ可能性が報告されている.本研究は脂質異常症を有するNASH患者に6ヶ月間エゼチミブ投与を行い各種パラメーター,肝組織...
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- 脂肪肝における酢酸代謝の変化とアルコール摂取の影響
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瓜田 純久(東邦大・総合診療・急病科)
【目的】腸管に多く存在する短鎖脂肪酸で活性化されるG蛋白質共役型受容体が発見され,短鎖脂肪酸も栄養代謝に関与していることが明らかとなってきた.一方,大酒家ではNADHの過剰産生によってTCA回路,糖新生ともに障害され,脂肪酸が動員されてβ酸化が亢進する傾向を示す.インスリン抵抗性を有することが多い脂肪肝では,大量の脂肪酸が肝へ流入する.脂肪肝形成において両者の関連を検討するため,アルコール性脂肪肝...
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- NASH/NAFLDにおける非侵襲肝臓糖代謝評価法の開発-空腹時13C-glucose呼気試験法-
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松浦 知和(東京慈恵会医大・臨床検査医学)
【目的】NASH/NAFLDの病態形成や進展には、肝臓のインスリン抵抗性が関与しており、肝臓の脂肪蓄積、肝臓線維化や癌化への重要な促進因子である。臨床検査において、肝臓のインスリン抵抗性を早期に、簡便かつ非侵襲的に評価することは重要である。そこで、我々は、肝臓糖代謝評価法として、空腹時13C-glucose呼気試験(FGBT)を開発し、肝臓のインスリン抵抗性を鋭敏に評価する検...
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- 膵切除後の脂肪肝危険因子に関する検討
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岡村 行泰(名古屋大大学院・消化器外科学)
(目的)膵切除後の経過観察をしていく上で脂肪肝は高頻度に認める病態の一つである。脂肪肝発生の危険因子に関する報告は散見されるが、統一された見解はなく、脂肪肝発症による臨床的影響に関する検討は極めて少ない。今回、当科における膵切除例に対し、これらの検討を行い、脂肪肝発生の危険因子の同定を試みた。(方法)2003年12月から2010年6月までに行った膵切除症例(膵頭十二指腸第2部切除、膵中央切除症例を...
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- 膵疾患術後消化吸収機能および膵内外分泌機能変化の解明と臨床応用
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森藤 雅彦(さんむ医療センター, 広島大大学院・病態制御医科外科学)
【目的】膵切離時の切離断端組織学的所見と術後内・外分泌機能変化を比較し臨床現場での脂肪吸収障害予測への可能性を検討。【対象】膵体尾部切除(DP)40例、幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD)52例。【方法】膵切離断端部位のH.E.染色標本から、内分泌機能変化予測としてislet cellの面積、個数、面積比を算出、外分泌機能変化予測として残存膵実質面積率を測定。内分泌機能の変化はHbA1C、外分泌...
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肝・胆道疾患と脂質代謝を見直す-消化吸収異常の関与とその治療-
- 13C-trioctanoinと13C-octanoin呼気試験を用いた新しい消化吸収能評価法の開発とその臨床的意義
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中田 浩二(東京慈恵会医大・外科, 東京慈恵会医大・消化管外科)
消化管における脂質の消化吸収の制御は、脂質代謝異常に基づく消化器疾患の治療戦略として期待されるが、その治療効果を評価するためには脂肪の消化吸収能を定量的に評価しうる検査法の開発が必要である。13C呼気試験法による消化吸収能検査(13C法)は、簡便・非侵襲的に行うことができ、新しい検査法として注目される。【目的】13C法において(1)...
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